【映画レビュー】エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン / El Bulli: Cooking in Progress

世界一革新的なシェフと呼ばれるフェラン・アドリアがオーナーシェフを務めるレストラン「エル・ブリ」の料理の開発過程から、実際の店鋪での営業の様子を追ったドキュメンタリー映画『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』

天才的な才能と飽くなき執念を持ち、「意外性と感動、新しい食感を提供したい」という理想を実現するために妥協を許さないトップ。
そして、そのトップの側近として、様々な実験と分析を重ね、何度も改良を行いながらトップの思い描くビジョンを実現させようとするリーダーたち。
そして、そのリーダーのもと、自分のキャリアのためにも、トップやリーダーから何かを学ぼうと、懸命に働くスタッフたち。

料理ドキュメンタリーと言うよりは、「プロジェクトX」に近いような、そんなドキュメンタリーです。

<STORY>
2008年10月、レストラン「エル・ブリ」のオーナーシェフのフェラン・アドリア率いる新メニュー開発チームが、バルセロナにある研究用アトリエに集まった。1年のうち半年間だけ営業している「エル・ブリ」は、休業期間に、来シーズンに提供する新メニューを開発しているのだ。彼らはオブラートやオイルなど、様々な食材や調理法を用い、新メニューを開発していく。そして2009年7月、世界が待望するレストラン「エル・ブリ」がオープンする。

<解説>
スペインのカタルーニャ地方にある世界第一位に5回も選ばれた3つ星レストラン「エル・ブリ」。
オーナーシェフのフェラン・アドリアのもとで、食材を泡状にする調理法“エスプーマ”や真空料理を考案し、ミキサーにかけた様々な食材を球体化させたり、オブラートを料理に使うなど、様々な革新的料理を生み出して来たレストランです。

エル・ブリは、通常は4月~10月までの6ヶ月間の営業をしていただが、2009年は時期をずらして7月から12月の期間のみの営業となりました。
このドキュメンタリーはその2009年シーズンに向けて、研究を重ねる開発チームと、7月にレストランがオープンしてからの姿を追っています。

チーム・エルブリのトップであるフェランは妥協を許さず、部下の作ってきた料理であってもダメなものはダメと却下し、更なる深化を求めていきます。

その下にいるリーダーたちは、何度NGを出されても、「これがいいと思うんだ」と改良を重ねてトップにプレゼンをしていきます。
そして、実験(まさに実験という言葉が相応しい)を重ね、データを集め、検証し、最適な結果を導きだすのです。

レストランと言えども、新しいものを生み出す過程は一般企業と変わりません。

逆に、「これはダメなんじゃないか」「トップに聞いてからやってみよう」とトップの考えを先回りして斟酌した結果、それがかえってダメだと言われたりもしていて、ワンマン社長の下にいたことがある私にとっては、それも「あるある」とちょっとツボでした。

私は、フェラン・アドリアの姿に、スティーブ・ジョブズアナ・ウィンターの姿を思い出しました。
自分の信念を持ち、ベストなものを作り出そうと、妥協せず世界を革新していくクリエイターの姿に、大きな刺激を受けることのできる一作です。

2011年7月に閉店してしまった伝説のレストラン「エル・ブリ」
本当に、一度ここの料理を食してみたかったです。。。

『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』(113分/ドイツ/2011年)
原題:El Bulli: Cooking in Progress
公開:2011年12月10日
配給:スターサンズ
劇場:シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開
監督:ゲレオン・ヴェツェル
出演:フェラン・アドリア/オリオール・カストロ/エドゥアルド・チャトルック/ジュリ・ソレール/ルイス・ガルシア
公式HP:http://www.elbulli-movie.jp/

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