【映画レビュー】ワイルド・スピード/ジェットブレイク / Fast & Furious 9
2020年公開予定の大作映画の例に漏れず、コロナ禍で公開延期になっていた映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』。大好きな「ワイルド・スピード」シリーズの最新作が、ついに公開されました。
冒頭の30分で、ストックカーレース、地雷原を抜けてのカーチェイスなど、期待どおりのアクションを盛り込みまくってくれるさすがの展開。
世界を掌握できるデジタル機器“アリエス”から、某国独裁者のドラ息子、よくわからないけどすごい磁力装置、ロケットエンジン搭載車で宇宙にまで行ってしまうなど、そのスケール感に思わず笑ってしまいます(でもそこがよい)。
とは言え、このシリーズの肝となるテーマは、やっぱり“ファミリー”。
ジョン・シナ演じるドムの実弟・ジェイコブとの根底にある絆や、青いスカイラインGT-Rに思わず涙してしまう……。
ド派手かつ荒唐無稽なカーアクションに心ときめかせ、最後には感動と涙を与えてくれる、最初から最後までファンサービスたっぷりの一作です。
STORY
ミスター・ノーバディのSOSを受けたドムたちファミリーは南米へ飛ぶ。そこで世界を支配できる装置“アリエス”を回収したドムたちだが、突然現れた男にアリエスを奪われてしまう。その男とは、疎遠になっているドムの弟・ジェイコブだった。ジェイコブは某国独裁者の息子の下で、危険な陰謀に加担していた。しかもそこには仇敵・サイファーの姿もあった……。ドムたちはミアや密かに生きていたハンと共に、アリエス回収に立ち上がる!
解説
『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』から、『ワイルド・スピード MAX』、『ワイルド・スピード MEGA MAX』、『ワイルド・スピード EURO MISSION』まで、シリーズ第3作から6作という、「ワイルド・スピード」シリーズに新規軸の魅力を盛り込み、ヒットシリーズからメガヒットシリーズに育て上げたジャスティン・リン監督がシリーズ復帰した本作。
車が空を飛んだり、潜水艦と戦ったりという、昨今のシリーズの荒唐無稽なチャレンジ精神は引き継ぎつつも、シリーズの原点であるストリートレースシーンを入れつつ、“ファミリーの絆”というシリーズの基本路線にしっかり回帰しています。
ブライアン(ポール・ウォーカー)というファミリーの次男的存在を失い、ホブス(ドウェイン・ジョンソン)というドムと似て非なる長兄的存在を排した今、彼らファミリーを助けるのはハン(サン・カン)らかつてのシリーズに登場した仲間であり、ドムの実弟・ジェイコブ(ジョン・シナ)なのでした。
ジェイコブの登場によって、ドミニクの若き日、父を亡くし弟と袂をわかつきっかけとなったある出来事が明らかになります。
ストックカーレーサーだった父の死の理由、父がドミニクを思う心、父がジェイコブに託した真実……。
それらが明かされることで、ドミニクが「ゼロヨンに生きる人生」「走るか死ぬかの人生」を歩んできた理由と、彼がファミリーに対して強いこだわりを持つ理由が、観客にも理解できるようになっています。
兄にコンプレックスを抱いて育ち、兄を恨んで生きてきたジェイコブ。
父の死の原因が弟にあると思い、弟を“ファミリー”と思わず生きてきたドム。
“ファミリーの絆”がテーマになっている「ワイルド・スピード」シリーズのなかで、ドムが実の肉親と対決し、そのわだかまりをとかしていきます。
ドムとジェイコブ、そしてミアという、トレット家の血を分けたファミリーが、新たな絆を結び直すのでした。
ジャスティン・リン監督は、シリーズの原点回帰とも言えるドミニクの家族の物語をバックボーンに据えつつ、シリーズをさらに飛躍させる激アツなアクションを盛り込んでみせました。
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』というこのシリーズ9作目を象徴するようなシーンとして、強い磁力を持つ磁力装置を活かした、街中の車を引き寄せたり空中に浮かせたりするアクションや、ロケットエンジンを搭載した車で宇宙にまで行っちゃうアクションを投入し。
さらにそれ以外にも、カーレース場でのレースシーンからクラッシュシーン、山道や地雷原をバイクや装甲車で駆け抜けるシーン、海峡に猛スピードで突っ込みロープ1本で渡っちゃうシーン、ドムとジェイコブのストリートレースシーン、ほとんど車を運転したこともないラムジーが公道を破壊しながら進むカーチェイスなど、ドライビングテクニックの上手下手など関係ない、ファンが待っていた熱いカーアクションも満載。
ジャスティン・リン監督は、自身が監督した『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』から登場したハン(サン・カン)やショーン(ルーカス・ブラック)やトゥインキー(バウ・ワウ)、アール(ジェイソン・トビン)。さらに『ワイルド・スピード MAX』から登場したリコ・サントス(ドン・オマール)ら、多くの古参キャラを再登場させています。
これは、後2作で終了といわれるこの作品の、最終章に入っていく準備が着々と重ねられているものと考えられます。
次回作ではデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)とハンの対決も見られそうですし、ママ・クイーニー(ヘレン・ミレン)&オーウェン(ルーク・エヴァンズ)&ハッティ(ヴァネッサ・カービー)らショウ・ファミリーの登場もありそう。
とすると、最終作には、きっとルーク・ホブス捜査官(ドウェイン・ジョンソン)も登場してくれるのではないかしら、なんて、ファン的妄想を繰り広げてしまいます。
ヴィン・ディーゼルとロック様の確執が、実はシリーズを盛り上げるための壮大なプロレスってことにしてくれないかな。。。
関連ニュース
【映画ニュース】2016年8月6日に公開決定!『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』新キャラはジョン・シナ演じるドムの弟!?:http://c-movie.jp/news/ff9_trailer/
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関連作レビュー
ワイルド・スピード MEGA MAX / Fast Five:http://c-movie.jp/review/fast-five/
ワイルド・スピード EURO MISSION / Fast & Furious 6:http://c-movie.jp/review/fast-furious-6/
ワイルド・スピード SKY MISSION / Furious 7:http://c-movie.jp/review/furious7/
ワイルド・スピード ICE BREAK / The Fate of the Furious:http://c-movie.jp/review/fast-furious-8/
ワイルド・スピード/ジェットブレイク / Fast & Furious 9:http://c-movie.jp/review/fast-furious-9/
ワイルド・スピード/スーパーコンボ / Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw:http://c-movie.jp/review/fast-furious-handm/
作品情報
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(143分/アメリカ/2021年)
原題:Fast & Furious 9
公開:2021年8月6日
配給:東宝東和
劇場:全国にて
監督・製作・脚本:ジャスティン・リン
脚本:ダン・ケイシー
キャラクター原案:ゲイリー・スコット・トンプソン
製作:ニール・H・モリッツ/ジェフ・カーシェンバウム/ジョー・ロス/クレイトン・タウンゼント/サマンサ・ヴィンセント
音楽:ブライアン・タイラー
製作・出演:ヴィン・ディーゼル
出演:ミシェル・ロドリゲス/タイリース・ギブソン/クリス・“リュダクリス”・ブリッジス/ジョン・シナ/ジョーダナ・ブリュースター/ナタリー・エマニュエル/サン・カン/ヘレン・ミレン/シャーリーズ・セロン/バウ・ワウ/ルーカス・ブラック/マイケル・ルーカー/ジェイソン・トビン/カーディ・B/アンナ・サワイ/オズナ/フィン・コール/ヴィニー・ベネット/カート・ラッセル/ヴィンセント・シンクレア/シェー・ウィガム/ジム・パラック/マーチン・フォード/トゥエ・アーステッド・ラスムッセン/ドン・オマール/テゴ・カルデロン/ガル・ガドット/ジェイソン・ステイサム
Official Website:http://wildspeed-official.jp
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