【映画レビュー】タイタンの戦い／ Clash of the Titans

2010/4/13 外国映画た行, 映画レビュー

1981年のカルト的名作『タイタンの戦い』を迫力の3Dでリメイクした映画『タイタンの戦い』。

『アバター』に続き、またもや3D大作に主演したのはサム・ワーシントン。
これだけ3Dの話題作に立て続けに主演するなんて、“3Dの申し子”と呼んでもいいかもしれませんね。

この人、『ターミネーター4』、『アバター』とか、話題作に主役級で出ている割に、そんなにスターオーラがないんですよね。
でも、そこがこの役“デミゴッド”ぺルセウスにぴったりでした。

STORY

神話時代の古代ギリシャ。アルゴス国の人間は慢心し、神々を信じなくなっていた。人間がゼウス像を破壊したことに怒ったゼウスの弟の冥界王・ハデスは人間を襲う。漁師・ペルセウスの家族はその騒動に巻き込まれ、命を落としてしまった。再度アルゴスを襲ったハデスは、アンドロメダ姫を生贄に差し出さねば、アルゴス国を滅ぼすと告げる。自分がゼウスの息子で半神であることを知ったペルセウスは、姫を救うために立ち上がる…！

解説

神話に出て来るクリーチャーたちを迫力たっぷりにスクリーンに映し出しているだけでも、感動モノの一作です。

特に私が感動したのは、あのペガサス。
優雅に翼をはためかせ、颯爽と空に駆け上がる姿は「ああ、乗りたい…」と思わずつぶやきが漏れそうなほど。
他にも、メデューサやクラーケンなど、生きているとしか思えないような見事な動きは、ファンタジーファンにはたまらないハズ。

そしてこの作品、キャストがじみーに豪華です。

主役のペルセウスにサム・ワーシントン、全能神・ゼウスにリーアム・ニーソン、冥王・ハデスにレイフ・ファインズ。
ペルセウスと共に戦う戦士・ドラコに、『007／カジノ･ロワイヤル』で悪役ル・シッフルを、『シャネル＆ストラヴィンスキー』でストラヴィンスキーを演じたマッツ・ミケルセン。
険しい顔にいかつい肉体の、男くさーい戦士を力強く演じてます。素敵。
ペルセウスの守護神・イオに、『007／慰めの報酬』であっさり殺されてしまったボンド･ガールを演じたジェマ・アータートン。

主演クラスの派手なスターはいないのですが、いぶし銀と言うか、通好みと言うか、安心して見ていられる名優たちが揃っているのです。
神話という、荒唐無稽なストーリーを描いているのに、作りもの感を感じさせないのは、彼らの演技力に負うところが大きいでしょう。
ゼウスなんて、「どっちの味方だよ！」みたいな矛盾した行動をとったりもするのですが、リーアム･ニーソンのゆったりした演技を観ていると、その説明がなくとも「全能神というのは人間を創った存在だし、人間を憎らしく思う時もあるけれど、基本は人間を愛しているのね…」などと、納得出来たりもするのです。
俳優の力、恐るべし。

また、この『タイタンの戦い』を観ていると、「ん、なんかこれは観たことがある…」と既視感を感じるシーンも多いのですが、それはファンタジーと言う作品の特性上、しょうがないのかもしれません。
だって、仲間が旅に出る話だし、名前を呼んではいけないあの方が演じてるし、クラーケンはエイリアンみたいなものだしね。

『トランスポーター2』であっと驚く突拍子もない演出で観客を楽しませてくれたルイ・レテリエ監督は、きっとノリノリでこの作品を作ったに違いありません。
「あの映画のあの感じ、3Dで再現しちゃおうぜー♪」みたいなノリで。
（あくまで勝手な想像）

というわけで、1981年版のオリジナル作品の大ファンだったというルイ・レテリエ監督が作ったこの映画、大スクリーンで観るにふさわしい、壮大なファンタジー・アドベンチャーになっています。
ヒーローや神々、クリーチャーたちの暴れっぷりを、ぜひとも3Dで楽しんで欲しいと思います。

そうそう、『300』や『トロイ』みたいな感じで、露出度の高い鎧にガチムチ・ボディのいかつい男性たちもその肉体美をガツンと披露してくれてますので、そういった男性が好きな方にもオススメです！