【映画レビュー】アバター / Avatar

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映画『アバター』を観て来ました。
言わずと知れた、ジェームズ・キャメロン監督が13年ぶりにメガホンをとった話題作。

いやー、映像が本当に素晴らしいですね。

この作品で“映画”というものの概念が、また一つ変わったような気がします。

映画がサイレントからトーキーに変わったような、モノクロから総天然色に変わったような…、
2次元から3次元へ移行する、エポックメイキングな作品だと思います。

いやー、やっぱ、ジェームズ・キャメロンはすごいわ。

<STORY>
事故で下半身不随になった元海兵隊員ジェイクは、死亡した双子の兄に代わり、パンドラという星に赴任する。パンドラには様々な植物や動物、そしてナヴィと呼ばれる知的生命体が生息していた。ジェイクの任務は、アンオブタニウムという鉱物を手に入れるため、人類とナヴィのDNAを組み合わせた“アバター”を操り、ナヴィの弱点を探るというものだった。しかし、ナヴィの族長の娘・ネイティリと出会い、ジェイクは恋に落ちる。

<解説>
この『アバター』を観て、「新しいなー」と思ったこと。

それは“人類を悪として描いている”ということ。

映画の構造としては割と単純で、“先住民”対“侵略者”の闘争の物語です。

自然を愛しながら暮らしている先住民のところに、侵略者がやって来て、そこにある資源に気付く。
 ↓
侵略者たちは、先住民が古くから育んできた土着の文化を“野蛮なもの”として、先住民に新しい“先進文化”を与え、懐柔しようとする。
 ↓
でも先住民たちはその文化を受け入れようとせず、資源を渡そうとしない。
 ↓
「じゃあそんな野蛮な奴ら滅ぼしちゃえ」
 ↓
先住民と侵略者の戦い勃発

ネイティブ・アメリカン 対 騎兵隊、インカ帝国 対 ピサロ、宇宙人 対 地球人、など、今までこの構造の物語はたくさんありました。
でも、今までの物語のほとんどは“侵略される者”=“地球人”=“善者”だったはず。

しかし、この『アバター』においては、“侵略される者”がナヴィで、“侵略する者”が地球人です。
しかも、この侵略も「人類が生き残るために仕方なく…」とかではなく、ただの「一企業の利益追及のため」でしかないし。

“ナヴィ”=“善者”
“地球人”=“悪者”

こんな風に、はっきりと、異星人を善者、地球人を悪者として描かれている映画って、私は初めて観ました。
(もしかしたら過去の映画にもあるのかもしれませんが)

この点が、ずいぶん新しいなーと感じたところです。

それ以外は…、アバターとパイロットがシンクロして動き出すあたりはなんだかエヴァっぽいし、ザブングルみたいなメカも出てくるし、ストーリー的にはナウシカっぽかったりもするなあとは思ったんですが。

でもやはり、映像は素晴らしいし、単純に面白いし、ナバホ族をモデルにしたというナヴィの文化も興味深いし、2010年を代表する映画になることは間違いないでしょう。
(公開は2009年だから、2009年を代表する映画というべきかもしれないけど…)

とりあえず、同時代を生きる者として、劇場で、なおかつ3Dで観るべき一作です。
私ももう1回観に行こうっと。

『アバター』(162分/アメリカ/2009年)
原題:Avatar
公開:2009年12月23日
配給:20世紀フォックス映画
劇場:TOHOシネマズ日劇ほか全国にて
製作・監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントンゾーイ・サルダナシガニー・ウィーバースティーブン・ラングミシェル・ロドリゲス
公式HP:http://movies.foxjapan.com/avatar/

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