【映画レビュー】ワンダーウーマン ／ Wonder Woman

女性だけのアマゾン族が暮らすパラダイス島・セミッシラで育ったダイアナは、不時着したスティーブ・トレバーを助けた。ダイアナはスティーブから外界で戦争が起こっていることを聞き、軍神アレスを殺すというアマゾン族の使命を果たすため、スティーブとともに外の世界に出ることを決意する。アレスはドイツ軍を動かし、究極の毒ガス爆弾を作ろうとしていたのだ。二人は仲間を募り、戦火の中にあるベルギーの村へ。そしてドイツ軍が待ち受ける前線へ乗り込んでいく…。

1941年、ウィリアム・モールトン・マーストンによってDCコミックスの世界に生み出されたワンダーウーマン。
第二次世界大戦の時代に生み出されたこのスーパーヒーローですが、本作の舞台は第一次世界大戦の最中。
イギリス軍のスパイのアメリカ人で、ドイツ軍に潜入しているスティーブ・トレバーと出会い、世界を救うために立ち上がるのです。

このワンダーウーマンは、風光明媚なパラダイス島で女性ばかりのアマゾン族のプリンセスとして生まれたダイアナ。
女王である母親・ヒッポリタ、将軍である叔母・アンティオペからたっぷりと愛を受けて育ち、姫としてふさわしくあるべく、叔母から戦いの訓練を受けて強くなります。

彼女が母親から聞いていたのが、アマゾン族に伝わる神話。
世界に戦争をもたらす軍神・アレスを倒して世界を救うため、アマゾン族は強くあらねばならないというのです。
そしてダイアナはその使命をまっすぐに受け止めて、すくすくと育ちます。
母親に反対されながらも、将軍である叔母の特訓を受けて、武術も習得。
強く美しいプリンセスとなるのです。

そんなダイアナはスティーブ・トレバーから世界で戦争が起こっているということを聞き、戦争を止めるためにパラダイス島を離れます。
外の世界に出た彼女は、赤ちゃんの可愛さを知り、アイスクリームの美味しさを知り、初めてのダンスを経験します。

パラダイス島で女性ばかりの暮らしをし、特に男性の必要性も感じず生きてきた彼女。
力仕事だって戦闘だって快楽を得ることだって、特に男性の必要を感じていませんでした。
しかし、外の世界での初めての体験を得て、友情や同志への尊敬や愛などに気づいていくのでした。

しかし彼女は、世界を救うべく生まれたアマゾン族のプリンセス。
全ての人を救うのが、彼女の務めです。
だからこそ、見捨てられたノーマンズ・ランドの奥の村に暮らす人々を救い、戦争で苦しむ全ての人々を救うため、何もかもを捨てても、アレスに立ち向かっていくのでした。。。

　
この作品は、言ってみれば“ワンダーウーマン　エピソード1”。
この映画でのダイアナは、あくまでもダイアナ。この経験を経て、彼女はワンダーウーマンとしての使命に覚醒し、世界のためにたたかうという自らの運命を実感し、“ワンダーウーマン”になるのです。
美しく気高いプリンセス・ダイアナの覚醒譚、ぜひ大スクリーンで堪能していただきたいと思います。