ストロボ・エッジ
『さよなら歌舞伎町』、『娚(おとこ)の一生』と、公開が続く廣木隆一監督の監督作。
この廣木監督の作品が、またもう一作公開されます。
それがこの映画、『ストロボ・エッジ』。
『娚(おとこ)の一生』がアラサー、アラフォー女性のファンタジーだとすれば、この『ストロボ・エッジ』は女子高生のファンタジー。
「こんな恋がしたい」
「こんな制服デートがしたい」
「こんな風に好きな人と電車に並んで座って、彼の肩で眠っちゃったりしたい」
などという女子高生が望む恋愛模様を、キラキラと再現してくれています。
<STORY>
同級生の一ノ瀬蓮を好きな木下仁菜子は、学校帰りに駅で蓮に告白する。「彼女がいるから」とフラれてしまうが、友だちとして付き合って欲しいと言うのだった。やがて新学期、高校2年生になった二人は同じクラスになる。その頃、蓮の年上の恋人・麻由香は、父親の再婚に悩んでいた。蓮はそんな麻由香を支えるため、麻由香に会いに行っていたのだが、疲れから倒れてしまう。そんな蓮を偶然通りかかった仁菜子が看病し、二人の距離は近付いていく。
<解説>
この『ストロボ・エッジ』、原作は咲坂伊緒の同名人気コミックです。
咲坂伊緒と言えば、つい最近三木孝浩監督の手で『アオハライド』も映画化されましたね。
この『ストロボ・エッジ』と>『アオハライド』、物語の構成はよく似ています。
この二つの物語、どちらも主人公の女の子には好きな同級生の男の子がいます。
でも、その彼には他に大事な女の子がいて、傷ついているその彼女をほっておくわけにいかず、主人公の女の子と付き合うまでに逡巡がある…、というパターン。
でも、『アオハライド』に比べると、この『ストロボ・エッジ』で主人公に与えられる試練はずいぶんマイルドです。
なんと言っても、『アオハライド』のライバルは超強力で、なおかつ「親を亡くす」というとてもつらい経験をした少女。
傷つき度合いも強いし、そりゃあ男の子も簡単にほっぽり出すわけにいきません。
それに比べて、この『ストロボ・エッジ』のライバルである麻由香は、「両親が離婚し、父親が他の女性と再婚することで悩んでいる」というだけですからね。。。
もちろんそれだって辛いのでしょうが、親を亡くす体験に比べたら、やはり弱過ぎます。
というわけで、この『ストロボ・エッジ』は『アオハライド』に比べて、随分主人公に与えられた試練が軽くなっていると言えるでしょう。
それで、映画の中で何が描かれているかというと…、主人公二人の気持ちが近付いていく“過程”です。
好きな人と一緒に行く買い出し。
好きな人と一緒の電車で帰る放課後。
好きな人と一緒に行く鎌倉遠足。
好きな人と一緒に準備する学園祭。
いやもう、楽し過ぎるでしょ!
二人で笑い合ったり、ひとつのイヤホンを分け合って同じ曲を聞いたり、彼のパーカーを借りて着たり、そんな日常のひとつひとつが、二人の距離を縮めていくのです。
いやもう、まぶしい。まぶしくてみれへんわ!
私も高校生に戻って、こんな恋がしたい! 制服デートしたい!
福士蒼汰と有村架純という今を時めく二人が、高校生のピュアな恋をみずみずしく描いた本作、アラフォーの私が観ると、思わず取り乱してしまうほど、キラキラしたラブストーリーでした。
廣木隆一監督、こんなに連続して女性が夢見る恋愛ファンタジー作品を監督し、しかもまったく違うテイストを味わわせてくれるとは…。
今後、ファンタジスタと呼ばせてください。
『ストロボ・エッジ』(116分/日本/2015年)
公開:2015年3月14日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作:咲坂伊緒
監督:廣木隆一
出演:福士蒼汰/有村架純/山田裕貴/佐藤ありさ/入江甚儀/黒島結菜/小篠恵奈/松尾薫
Official Website:http://www.strobe-movie.com/
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