【映画レビュー】ナイトクローラー / Nightcrawler
ジェイク・ギレンホールがサイコパスなパパラッチを演じる映画『ナイトクローラー』。
12キロ減量して役に挑んだというジェイクのギラギラした眼光に、思わず恐怖を感じてしまいます。
目的を達成するには、あのくらいの躊躇のなさや道徳心の欠如が必要なのか…。
ついつい、新卒の時に就職した会社の社長を思い出しました。
法を犯すか犯さないかはおいておいて、一代で名を為して大組織を作り上げるには、あれだけの執着心と功名心は不可欠なのかもしれませんね。
周りの人間は、かなり大変でしょうけど。。。
STORY
LAのコソ泥、ルイス・ブルームは、事件や事故のスクープを追うパパラッチ“ナイトクローラー”の仕事を知る。盗んだ自転車をビデオカメラと無線傍受機と交換したルイスは、警察無線を聞いて事故現場に駆けつけ、映像を撮影。KWLA6というテレビ局の女性ディレクター、ニーナに映像を売りつける。ルイスはアシスタントを雇い、LAを夜な夜な徘徊。ある発砲事件の現場に駆けつけたルイスは、家の中に侵入し悲惨な映像を撮影し、高い評価を得るが…。
解説
『リアル・スティール』、『ボーン・レガシー』などの脚本を務めたダン・ギルロイの初監督となる本作。
夜の街をうろつきまわることから“Nightcrawler”と呼ばれるパパラッチの姿を、ジェイク・ギレンホールの鬼気迫る演技で激しく描いています。
本作でジェイク・ギレンホールが演じるのは、コソ泥からパパラッチになった男・ルイス。
「私は勤勉で志も高く、粘り強く、仕事の覚えも早い。あなたの期待に応えます」と、自分をアピールしています。
このルイス、確かにこのアピールの通りの人物。
パパラッチの仕事のためにアドバイスを聞くと、それを確かに実行し、もらったアドバイス以上の成果を出すのです。
でも、彼の仕事ぶりは他の人とどこか違う…。
自己啓発書や業界人からのアドバイスにあった言葉でも、いわゆる普通の人はある程度のラインをわきまえ、常識を逸脱することは控えています。
しかし、このルイスは軽々と常識を逸脱し、成功への道を邁進していくのです。
そして、自分の行いにまったく疑問も持ちません。
そんな彼に踊らされるのは、金が欲しくて彼に雇われたアシスタント・リックと、刺激的な映像が欲しくて彼から映像を買い続けた女性ディレクター・ニーナ。
彼らは、ルイスの暗い目に魅入られ、彼と共に仕事をします。
そしてアシスタントのリックはルイスから非情な扱いを受け、ニーナは報道人としての良識を無くしていくのでした。。。
そんなルイスの姿は、まさにサイコパス、まさにモンスター。
一般の人とはまったく違う感覚で、一般の人を魅了し、翻弄し、愚弄し、一人成功の道を駆け上がっていくのです。
そんなモンスターを演じるジェイク・ギレンホールの怪演は、恐ろしさを感じさせながらも、観客を魅了してやまないのでした。
作品情報
『ナイトクローラー』(118分/アメリカ/2014年)
原題:Nightcrawler
公開:2015年08月22日
配給:ギャガ
劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開
監督・脚本:ダン・ギルロイ
製作総指揮:ベッツィ・ダンバリー
製作:ジェニファー・フォックス
撮影:ロバート・エルスウィット
プロダクション・デザイン:ケヴィン・カヴァナー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
編集:ジョン・ギルロイ
出演:ジェイク・ギレンホール/レネ・ルッソ/ビル・パクストン/リズ・アーメッド/アン・キューザック/ケヴィン・ラーム/キャスリーン・ヨーク/エリック・ランジ/ジョニー・コイン/マイケル・ハイアット/マイケル・パパジョン/キッフ・ヴァンデンヒューヴェル
Official Website:http://nightcrawler.gaga.ne.jp/
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