【映画レビュー】エージェント:ライアン / Jack Ryan: Shadow Recruit
ケネス・ブラナーが、『マイティ・ソー』に続き、アクション映画監督としての才能を見せ付けた映画『エージェント:ライアン』。
トム・クランシーの作り上げたキャラクター・ジャック・ライアンを、映画「スター・トレック」シリーズのカーク船長役でおなじみの新鋭俳優クリス・パインが演じています。
若くて優秀、熱血で一本気…、そんな本作のジャック・ライアンのキャラは、クリス・パインの太めの眉毛にぴったり。
見事な新キャラクターとして、ジャック・ライアンを再生させています。
<STORY>
ジャック・ライアンは、CIAのハーパーにスカウトされ、ウォール街の投資銀行でCIA情報分析官として密かに不審な資金の流れを探っていた。ある日ロシアの投資会社の不穏な動きに気付いたライアンは、モスクワへ調査に赴く。そこでハーパーはライアンに分析官ではなくエージェントとして事態を探れと告げる。エージェントとなったライアンは、世界の経済を破綻させる金融テロと爆破テロと言う、同時多発テロが計画されていることに気付き…。
<解説>
1990年の『レッド・オクトーバーを追え!』ではアレック・ボールドウィンが、1992年の『パトリオット・ゲーム』、1994年の『今そこにある危機』ではハリソン・フォードが、2002年の『トータル・フィアーズ』ではベン・アフレックが演じているジャック・ライアン。
東西冷戦、911を経て、世界のインテリジェンスの在り方も変化してしまった現在に、ジャック・ライアンも新しく生まれ変わりました。
本作に登場するジャック・ライアンは、911後、アメリカへの愛国心に目覚めます。
そして海兵隊に志願するも、怪我のため除隊。
その後、CIAのハーパーの命を受けて経済のPhDをとり、ウォール街の投資銀行で働き始めます。CIAの情報分析官という裏の顔を持ちながら…。
アナリストとしてデスクワークの情報分析の仕事を主とするジャック・ライアンですが、ロシアの金融会社の金の流れを追ううちに、ロシアが計画している爆破テロと連動させた金融テロという、同時多発テロの存在に気付きます。
そして、金融監査に飛んだロシアで、何の訓練も受けないまま、エージェントにさせられてしまうのです。
海兵隊としての訓練は積んでいるものの、エージェントとしては素人なジャック。
慣れないロシアの地で、婚約者・キャシーを守りながらロシア人テロリスト・チェレヴィンと戦わなければならないのです。。。
本作の監督を務めているケネス・ブラナーがチェレヴィンを演じているわけですが、シェイクスピア俳優でもある彼の存在感が、物語に重量感を与えています。
また、監督としても、タメの少ないスピーディな演出、畳み掛けるようなシーンの連続で緊迫感を持続させています。
一見、ダグ・リーマン監督から始まった「ジェイソン・ボーン」シリーズに似たものも感じるのですが、これはパトリック・ドイルの音楽のせいもあると思います。
本作『エージェント:ライアン』、はジャック・ライアンのリブート作品としてはもちろんですが、ケネス・ブラナーがアクション監督としての評価を確かなものにした、記念碑的作品になるような気がします。
『マイティ・ソー』といい、“ヒーローがヒーローになるまでのドラマ”がお得意なのかもしれません。
『エージェント:ライアン』(106分/アメリカ/2013年)
原題:Jack Ryan: Shadow Recruit
公開:2014年2月15日
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
劇場:全国にて
原作:トム・クランシー
監督・出演:ケネス・ブラナー
脚本:アダム・コザド/デヴィッド・コープ
音楽:パトリック・ドイル
出演:クリス・パイン/キーラ・ナイトレイ/ケヴィン・コスナー/コルム・フィオール/デヴィッド・ペイマー
公式HP:http://www.agentryan.jp/
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