ホームランが聞こえた夏 / 글러브

高校野球にあまり興味のない私でも、素直に泣けた韓国映画『ホームランが聞こえた夏』

もうね、やっぱり“高校野球にイノベーションを起こす”って、こういうことだと思うんですよ。
マネージャーがちょっといろいろ本読んで、小手先のイノベーションを起こすっていうどこかの映画とは違います。

生徒もコーチも、負ける悔しさや辛さを体に叩き込んで、「耳が聞こえないんだからしょうがない」「耳が聞こえないんだからかわいそう」といったこれまでの甘えや憐憫を捨てて、ハンディキャップも踏まえた上で、考え方からすべてを叩き直す。
それでも、現実の厳しさに打ちのめされたりもするわけで。

小手先でごまかすのではなく、野球に対する真摯な取り組みを描いたこの作品に、思わず泣かされてしまったのでした。

<STORY>
韓国プロ野球のスターだったサンナムは、暴力事件を起こし謹慎の身となる。世間の印象を良くするため、サンナムは嫌々ながら、ソンシムろう学校野球部のコーチをすることに。しかし、そのチームには選手は10人しかおらず、一人しかいないピッチャーも辞めてしまった。しかし、ソンシムろう学校には、かつて中学野球界で天才ピッチャーと言われつつも、耳が聞こえなくなり野球を辞めたミョンジュという少年がいた。サンナムは、彼を野球部に勧誘する。

<Cheeseの解説>
『シルミド/SILMIDO』カン・ウソク監督が、実際に存在するろう学校、ソンシム学校野球部の挑戦を描いた本作。
冒頭にも紹介したとおり、ハンディキャップを跳ね返し、韓国の甲子園“鳳凰杯”で一勝を目指す耳の聞こえない高校生たちの姿を、熱く描いています。

実は、韓国には高校の野球部は全国で50数チームしかないそうです。
少数精鋭で、プロ野球予備軍という側面が強く、“全国大会レベル”と認められれば、高校野球の全国大会“鳳凰杯”に出場できるそうです。
ということで、ソンシム高校の生徒たちも、高校野球部として正式登録され、“鳳凰杯”に出場することができるのです。

しかし、出場はできても、一勝することも出来ず…。
練習試合でも、相手チームに本気を出してもらえず、同情されながらゆる~い試合をしていたのです。

そんな彼らを変えたのが、かつて韓国野球界のスターだったキム・サンナム。
野球への情熱を無くし、飲酒による暴行事件などを起こした彼は、いやいやながらイメージアップのためにソンシム高校へコーチにやって来ました。

最初はダラダラしていた彼ですが、一心に投球に打ち込むミンジェの姿や、高校生の頃から変わらずに自分を支えてくれているマネージャー、チョルスの自分への気遣いを思い出し、だんだんと野球への情熱を取り戻していくのでした。

そして、生徒たちにも、野球の厳しさや大変さを教え込みます。
そして、生徒たちも「耳が不自由なのだから、負けてもしょうがない」と考えるのではなく、「耳は不自由でも、健常者以上の能力があることを見せてやる」と、変わっていくのです。

カン・ウソク監督は、サンナムコーチや生徒たちの心の変化を熱く、丁寧に描いています。
彼らの変化をきちんと描いているからこそ、彼らの成長に感動を覚えるのです。

まあ、144分とちょっと長く、途中でちょっとダレてしまったりもするところもあります。
でも、高校球児たちの努力の姿を真摯に描いている、スポーツ映画の名作だと思います。

『ホームランが聞こえた夏』(144分/韓国/2011年)
原題:글러브
英題:G-LOVE
公開:2011年8月27日
配給:CJ Entertainment Japan
劇場:シネマート新宿、銀座シネパトスほか全国にて
監督:カン・ウソク
出演:チョン・ジェヨン/ユソン/チャン・ギボム/キム・へソン/イ・ヒョヌ/カン・シニル/チョ・ジンウン
公式HP:http://homerun-movie.com/

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