【映画レビュー】キャッシュトラック / Wrath of Man
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、『スナッチ』と数々の名作を共にしてきたガイ・リッチー監督とジェイソン・ステイサムが『リボルバー』以来16年ぶりにタッグを組んだ映画『キャッシュトラック』。
2004年のフランス映画『ブルー・レクイエム』をハリウッドリメイクした本作、ガイ・リッチーらしい軽みや洒脱な編集、コミカルさを取り払い、リアルで重厚なアクションを見せています。
ハードで怒りに満ちた演技と重々しいアクションで、寡黙なジェイソン・ステイサムのアクションを堪能することができる一作です。
STORY
LAの現金輸送専門警備会社フォーティコ・セキュリティにヒルという男が入社してくる。ヨーロッパの警備会社で同じ仕事をしていたヒルだが、試験の結果はギリギリ合格。同僚のブレットは彼のことを“H”と呼ぶことに決めて歓迎するが、チームの他のメンバーは彼が気に食わない様子だ。ある日の業務中、現金輸送車が強盗に襲われ、仲間が人質に取られた。Hはその強盗を見事に阻止し、思いがけない高い戦闘スキルで周囲を驚かせるのだが……。
解説
ニコラ・ブークリーフ監督の2004年のフランス映画『ブルーレクイエム』をリメイクした本作。
『Wrath of Man』という原題のとおり、ジェイソン・ステイサムが怒りに満ちた男を演じています。
ジェイソン・ステイサムが演じるのは、ある憤怒した警備員。
警備会社に入社し、現金輸送車(キャッシュトラック)で現金を運ぶ、凄腕の男です。
本来ならば警備員どころではなく、もっと高い収入をえられるだけのスキルを持っているはずの彼が、なぜ警備会社に入ったのか……?その謎は徐々に明かされていきます。
この映画には、他にも怒れる男が登場します。
それは、ジェフリー・ドノヴァン演じる退役軍人のジャクソンです。
彼はアフガニスタンでの不運で不名誉除隊された退役軍人。軍人として高いスキルを持っているにも関わらず、元軍人としてつける仕事が少ないことから、元部下たちとともに現金輸送車強盗をしているのです。
なぜ命をかけて戦地で戦った彼らが、こんなに割を食わなくてはならないのか?
とはいえ、それは襲われる方にとっては、別の話です。
また、ジャクソンの部下たちも、決して一枚岩ではありません。
高い戦闘スキルはあるけれど、決してモラルは高くない人物もいるのです。
いつどこでどうなるかわからない……、そんな戦場で生き抜いた戦士にとっては、ある意味、刹那的な生き方こそが、生を謳歌することであり、生きるということなのかもしれません。
そして、“全米でもっとも現金が動く日”と言われるブラック・フライデーの日、1億8,000万ドルの現金をめぐって怒れる男たちが激突します。
彼らはお互いに容赦せず、自分のとことんまでやり抜くのです。
彼らは皆、犯罪者です。しかし、被害者でもあり、加害者でもある……。
そんな彼らを、国家権力はただ見守り、利用するだけなのでしょう。
作品情報
『キャッシュトラック』(118分/アメリカ=イギリス/2021年)
原題:Wrath of Man
公開:2021年10月8日
配給:クロックワークス
劇場:全国にて
原案:ニコラ・ブークリーフ/エリック・べナール
監督:ガイ・リッチー
脚本:マーン・デイヴィス/アイヴァン・アトキンソン
音楽:クリストファー・ベンステッド
出演:ジェイソン・ステイサム/ホルト・マッキャラニー/ジェフリー・ドノヴァン/ジョシュ・ハートネット/ラズ・アロンソ/ラウル・カスティーリョ/デオビア・オパレイ/エディ・マーサン/スコット・イーストウッド/クリス・ライリー/アンディ・ガルシア/ロブ・ディレイニー/ポスト・マローン/ニーヴ・アルガー
Official Website:https://cashtruck-movie.jp/
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