小さいおうち

山田洋次監督の初ラブストーリーと言われる映画『小さいおうち』

前作『東京家族』とかなりキャストが被っていますが、もちろんストーリーは別もの。
戦前の昭和、中産階級のインテリ家族が暮らす“小さなおうち”に密やかに息づく“小さな秘密”と“小さな恋”。

不自由な時代に、貞淑な良妻賢母を演じる松たか子と、純朴な田舎娘を演じる黒木華、二人の女優のそれぞれの“愛情表現”に、自由過ぎる現代に生きる私は、思わず感嘆してしまいました。。。

<STORY>
布宮タキが亡くなった。山形出身で14歳から東京に奉公に出て来たタキに自伝を書くよう薦めていた親戚の健史は、タキが書きためたノートを読み始める。昭和初期、タキは赤い三角屋根の小さいおうち、平井家に奉公に上がる。女主人の平井時子はタキを可愛がり、タキも時子を慕っていた。ある時、時子の夫・雅樹が部下であるデザイナーの板倉正治を連れてくる。ある台風の夜、平井家の手助けに来た板倉に、時子は恋心を抱くようになり…。

<Cheeseの解説>
この映画では、昭和10年から終戦直後、そして平成12年から21年頃という二つの時代を描いています。
このふたつの時代を繋ぐのは、布宮タキという一人の女性。昭和時代のタキを黒木華が、平成時代のタキを倍賞千恵子が演じています。

昭和時代のタキは、松たか子演じる平井時子の家に女中として奉公に上がります。
平井家は、東京・大田区の雪谷に立つ、赤い三角屋根のモダンな小さいおうち。
ここにはステンドグラスのはまった窓があり、ジャズやシャンソンのレコードを聴き、お紅茶を飲むという、モダンで優雅な暮らしが営まれています。

太平洋戦争が始まっても優雅に暮らす彼らの暮らしぶりは、現代に生きる私が想像する戦争中の暮らしとは違って、とても優雅なものでした。
平井家の女主人の時子は、吉岡秀隆演じる夫の部下であるデザイナー、板倉正治と密かな不倫の恋に落ちたりもするのです。

しかし、戦局が押し迫った頃、自由な着物を着ることも許されなくなり、不倫の恋への世間の目も厳しくなってきてしまいます。
タキは、時子の評判が落ちるのを防ぐため、時子と板倉の密会を止めようとします。
そして、その行動が、タキの心を60年間苦しめ続けることになるのです。

平和な時代になら、どこにでもあるような“小さな秘密”と“小さな恋愛事件”。
それが、戦争という、国民一人一人の人生を大きく変えていく歴史の最中に発生したことで、一人の人間の心を大きく傷付けていくのです。

山田洋次監督は、戦争というものが一人の人の心に与える大きな傷を、戦争を通して描き出してくれました。

『小さいおうち』(136分/日本/2013年)
公開:2014年1月25日
配給:松竹
劇場:全国にて
原作:中島京子
監督・脚本:山田洋次
脚本:平松恵美子
音楽:久石譲
出演:松たか子黒木華片岡孝太郎吉岡秀隆妻夫木聡倍賞千恵子橋爪功吉行和子室井滋中嶋朋子ラサール石井あき竹城笹野高史松金よね子/秋山聡/市川福太郎/米倉斉加年螢雪次朗林家正蔵小林稔侍夏川結衣木村文乃
公式HP:http://www.chiisai-ouchi.jp/

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