【映画レビュー】花宵道中

映画「花宵道中」公式ビジュアルブック 安達祐実 秘花

32歳にして芸歴30年を誇る女優、安達祐実
映画『花宵道中』は、そんな安達祐実が吉原の花魁に扮した恋愛ドラマ。

金で男に身を任す哀しい運命の女性が出会った最初で最後の本当の恋を、濡れ場たっぷりに描いています。

いやー、さすが芸歴30年、安達祐実、演技はうまいです。
でもなあ…、なんだか、どんなに脱いでもドキッとしないというか…、エロスがないんだよなあ。。。
“可愛らしさ”を小さい頃から求められ続け、求められたものを提供し続けてきた彼女、急に大人になって“エロス”を求められても、なかなか難しいのかもしれませんね。。。

ただ、どんな辛い環境にあっても耐えて生きている彼女の姿は、本当に可憐です。
苦界にありながら可憐さを忘れずひたむきに生きた一人の遊女の“純愛”を描くという意味では、成功しているのではないかと思います。
まあ、『吉原炎上』的な作品を想像して観に行くと、ちょっと物足りないかもしれませんが…。

<STORY>
天保八年、吉原が全焼し、妓楼は仮宅で営業していた。小見世である山田屋の遊女・朝霧は、ある日、縁日へ繰り出し、京からやって来た染物職人・半次郎と出会う。朝霧と半次郎は壊れた簪を直してもらう約束をし別れたが、朝霧は約束の場所に行くことができなかった。その後、織物問屋の吉田屋の宴席に招かれた朝霧は、そこで半次郎と再会する。朝霧と半次郎の間に何かあると気付いた吉田屋は、朝霧を半次郎の見ている前で嬲りものにし…。

<解説>

安達祐実 遊女A-映画「花宵道中」より- [DVD]

大火で吉原が炎上し、仮宅で営業している“つかの間の自由”の中での女郎・朝霧の恋を描いたこの作品。
“吉原もの”につい期待しがちな“女同士のドロドロの愛憎”などはありません。

小さい頃霧里に拾われて山田屋にやって来た主人公の朝霧は、姐女郎だった霧里を慕い、妹女郎の八津を可愛がり、山田屋の中でも一目置かれながら平和な日々を送っています。

そんな彼女が、ある偶然で京の染物職人・半次郎と出会い、初めての恋に落ちるのです。
しかし、その恋を邪魔する者が現れます。

それは、織物問屋の吉田屋。
かつて霧里を身請けした吉田屋は、霧里の死後、朝霧を身請けしようとするのです。
そして、朝霧と半次郎が心を通わせていることを知った吉田屋は、半次郎の前で朝霧を弄び、嬲りものにします。
実は半次郎の過去にも、吉田屋と深い関わりがあり…。

この吉田屋を演じるのは、津田寛治
驚くほどにイヤな奴で、驚くほどに金の亡者。
遊女を人とも考えておらず、ひどいことをしまくっています。

津田寛治、この役を演じるの、楽しかっただろうなあ。
濡れ場もあるので、女優さんに対し気を使う部分もきっと多いとは思いますが、これだけ振り切った役を演じるのは、きっと楽しかったことだろうと思います。

そしてもう一人、この作品のアクセントとなるのは、山田屋の女将を演じている友近
「股開かざるもの食うべからず!」という名言を残し、哀しい純愛物語の中、コントのような存在感を見せてくれています(誉めてます)。

吉原を舞台にした本作『花宵道中』、色っぽいビジュアルとは裏腹に、俳優たちが個性たっぷりに純愛を演じる一作です。

『花宵道中』(102分/日本/2014年)
公開:2014年11月8日
配給:東京テアトル
劇場:テアトル新宿ほか全国にて
原作:宮木あや子
監督:豊島圭介
脚本:鴨義信
出演:安達祐実淵上泰史小篠恵奈三津谷葉子多岐川華子立花彩野松田賢二中村映里子不破万作高岡早紀友近津田寛治
公式HP:http://hanayoidouchu.com/

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