【映画レビュー】トラブル・イン・ハリウッド / What Just Happened
ロバート・デ・ニーロがハリウッドの大物映画プロデューサーを演じた映画『トラブル・イン・ハリウッド』。
巨額の資金を回すエラ~い立場のはずながらも、大物スターのワガママに振り回され、自分の納得する結末にこだわろうとする子どものような映画監督に手を焼き、興行収入を重視する映画会社の社長には怒られる映画プロデューサー。
よりを戻したいと思っている前妻にはフラれ、前々妻には皮肉を言われ、年頃の娘(前々妻の娘)には気に入らない恋人ができたりし、仕事も私生活も、みんなに振り回されて散々な目にあっていたり。
私がリアルで知っている映画プロデューサーって、みんな、ものすごくパワフルで、押し出しが強くて、アクの強い人ばっかりですが、実は意外と大変なお仕事なんですね…。
STORY
映画プロデューサーのベンが手掛けた映画『フィアスリー』の試写が行なわれた。結果は散々で、観客からは酷評の嵐だった。映画会社の社長は結末を変えるように迫るが、監督は言うことをきかず駄々をこねる。なんとか再編集に同意させたベンだが、今度はもうすぐ撮影に入る予定の新作映画でトラブルが。出演予定のブルース・ウィリスが太ってしまい、ヒゲ面で熊のようになっているのだ。ブルースは何を言ってもヒゲを剃ろうとせず…。
解説
『アンタッチャブル』、『ファイトクラブ』などのプロデューサー、アート・リンソンの回想録を映画化した本作。
『アンタッチャブル』と言えば、本作で映画プロデューサーを演じるロバート・デ・ニーロの出演作…。とすれば、ブルース・ウィリスのモデルはまさかデ・ニーロ本人?
暴力的な映画で観客にも酷評されたにも関わらず、頑なに内容を変えようとしない子どものような映画監督のモデルは、『ファイト・クラブ』のデヴィッド・フィンチャーだったりして?
と、思わず想像をたくましくしてしまう、そんな皮肉たっぷりのハリウッドの内幕を描いた作品です。
何よりも、実名で出演しているブルース・ウィリスを“ヒゲ面のグリズリー”と呼んだり、同じく実名で出演しているショーン・ペンが、「プライベート・ジェットならマリファナが吸えるな」とワクテカしてたりする、そんなお遊びたっぷりの演出が楽しい!
ショーン・ペンの奥さま、ロビン・ライト・ペンがロバート・デ・ニーロ演じるベンの前妻役で出演していたり、なんだかハリウッドの仲間たちがニヤリとしながら作っている様子がうかがえます。
まあ、巨額の資金がうごめくハリウッドですから、実際はこんなに牧歌的ではないのでしょうが、フィクションとして楽しむには十分かと。
ハリウッドのメイン・ストリームを歩む大物たちだからこそ作れたような、自虐たっぷりの楽しい小品です。
作品情報
『トラブル・イン・ハリウッド』(104分/アメリカ/2008年)
原題:What Just Happened
公開:2010年9月4日
配給:フリーマン・オフィス
劇場:シネマアンジェリカほか全国にて順次公開
原作・脚本・製作:アート・リンソン
製作・監督:バリー・レヴィンソン
製作・出演:ロバート・デ・ニーロ
出演:ショーン・ペン/キャサリン・キーナー/ジョン・タトゥーロ/ロビン・ライト・ペン/スタンリー・トゥッチ/クリステン・スチュワート/マイケル・ウィンコット/ブルース・ウィリス
公式HP:http://tih-movie.com/
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