笑う招き猫
この映画の魅力は、なんといってもこの才能あふれる二人の女優の演技でしょう!
特に、失礼ながら、松井玲奈さんがここまで演技のできる女優さんだとは思っていませんでした。。。すみません。
彼女たちの輝きが光るこの作品、がむしゃらな二人の女子の頑張りがまぶしい、青春映画と言えるでしょう。
<STORY>
結成5年目の漫才コンビ「アカコとヒトミ」。大学時代に出会った高城ヒトミと本田アカコからなるこのコンビ、ケンカを繰り返しながらも、日々漫才の稽古に励んでいる。ある日、ヒトミが先輩芸人の「きんぴら」からセクハラを受け、怒ったアカコがライブ中に彼らを殴ってしまう。マネージャーの永吉からは大目玉だが、その威勢の良さが社長に気に入られ、テレビ出演の機会が舞い込んでくる。だんだんと、二人も名が売れ始めるのだが…。
<解説>
飯塚健監督が、小説すばる新人賞を受賞した山本幸久の原作小説を読み、映画化を志したという本作。
清水富美加と松井玲奈を主演に迎え、彼女たちが周囲の皆を巻き込みながら、ケンカしながら成長して行く姿を描いています。
清水富美加演じる主人公のヒトミは、言ってみれば割と常識人。
バイトをこなし、ビンボー生活をしながら、芸人として売れるため、努力しています。
ヒトミの相方であるアカコは、言ってみれば超自由人。
生まれも育ちも世田谷、お金に困ったことのないお嬢さまということで、実家のお金で何不自由なく売れない芸人生活を謳歌しています。
でも、自由奔放に生きているように見えるアカコにも、思春期に母親を事故で亡くすという過去があり…。
母の遺した招き猫を売り切るという目標を持っていました。
そして、その目標を果たしたとき、次の目的地を見つけるため、ヒトミを芸人に誘ったのでした。
金髪姿の松井玲奈が、こんな自由人で突拍子もない行動をするアカコを自由自在に演じています。
こんな彼女たちを支え、育てているのが、マネージャーの永吉さん。
東京03の角田晃広が演じているのですが、このマネージャーがなんとも素敵!
こんなふうにツンデレに叱咤激励してくれるマネージャーって、ある意味理想の上司かもしれません。
また、アカコの幼なじみや大学時代の仲間たち、ヒトミのバイト先の店長も、彼女たちを密かに応援しています。
彼女たちが舞台に立つときはちゃんとお金を払って見に行き、彼女たちが悩んでいるときはさりげなくそばにいて思いを聞いてあげる。
それだけで、夢に迷う若者にとっては、心の整理ができ、前に進むための休息ができるというもの。
夢に立ち向かう若人は、孤立無援ではやっていけない、ということをさりげなく感じさせてくれる、脇役の皆さんの演技も素敵でした。
さて、漫才師を主人公とする本作ですが、漫才のネタ作りや監修は人気漫才コンビのなすなかにしが行っているそうです。
舞台に出てきたときにさりげなくマイクスタンドの高さを調整する動きや、デビューしたての若手漫才師が怖くてお客さんの方を見られず、相方の方ばかり見てしまうとか…、そういう細かい動きにまで監修が入っているそうで、あのリアルな動きにも納得できました。
清水富美加と松井玲奈の女性芸人ぶり、ぜひ劇場でご堪能ください。
映画『笑う招き猫』 飯塚健監督インタビュー:http://cinema.co.jp/article/detail?tab=news&id=34766
『笑う招き猫』(127分/日本/2017年)
公開:2017年4月29日
配給:DLE
劇場:新宿武蔵野館ほか全国にて
原作:山本幸久
監督・脚本・編集:飯塚健
出演:清水富美加/松井玲奈/落合モトキ/荒井敦史/浜野謙太/前野朋哉/犬飼直紀/森田想/諏訪太朗/岩井堂聖子/嶋田久作/市川しんぺー/岩松了/中村倫也/角田晃広/菅原大吉/戸田恵子/稲葉友/那須晃行/中西茂樹
Official Website:http://waramane.jp/
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