【映画レビュー】ぼくの名前はズッキーニ / Ma vie de Courgette

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第89回アカデミー賞では長編アニメ映画賞にノミネートされた映画『ぼくの名前はズッキーニ』
ジル・パリスの原作小説を、クロード・バラス監督が映像化したスイス・フランス合作のストップモーション・アニメです。

痩せた体に青白い顔、目ばっかりギョロギョロした子どもたちの造形は、一見不気味だったりかわいそうな雰囲気だったりも。
しかし、同じ境遇の仲間たちと関わり、信頼できる大人たちとも出会い、日々を懸命に過ごすうちに新たな人生の扉が開いていきます。
彼らの無邪気さと愛らしさ、そして傷ついた心をお互いにかばい合い、助け合う優しさを見て、愛しさと切なさと心強さを感じてしまったのでした。。。

STORY

少年・イカールのママは、不幸な事故で天国に行ってしまう。遺されたイカールは、ママから呼ばれていた“ズッキーニ”を自分の名前だと言い張り、警察官のレイモンさんやみんなにズッキーニからも呼ばれるようになる。ズッキーニは、シモンら同年代の子どもたちのいる養護施設のフォンテーヌ園で暮らすことに。仲間たちはみんな不幸な事情があって、施設に連れてこられたらしい。ある日、新しく園にやってきた女の子・カミーユを見て、ズッキーニの胸は高鳴った…。

解説

一見は可愛らしいストップモーションアニメでありながら、描き出す現実はかなりハードなこの映画『ぼくの名前はズッキーニ』
ここに出てくる子どもたちは皆、アルコール依存症の親を持つ子、育児放棄された子、親が不法移民として国外退去させられた子、親に性的虐待された子など、現代社会が抱える問題の被害者である子どもたちです。

そんな不幸な目にあってきたため、人の顔色を読むことが得意で、身勝手な行動を取ったり、新しく入ってきた仲間たちにマウンティングをとってしまうようになった、シモンみたいな子も…。
でもそれは、今までとても大人から傷つけられてきたせいであり、新入りを仲間と認めれば、とても大事に思い、必死で守ろうとするようになるのです。
この子どもたちが作り上げる、小さなコミュニティのあり方に、子どものたくましさと強さを見た気がしました。

大人たちに傷つけられながらも、自分たちの小さなコミュニティでお互いの傷を慰め合い、そして信頼できる大人もいることを知り、外の世界に羽ばたいていく…。
子どもたちをじっと見守り、人生の楽しさやちょっとした苦さなども教えていくという、養護施設の先生たちや警察関係者など、彼らの一歩下がったサポートにも頭が下がります。
自立できる力を、自分たちの力で手に入れていく、子どもたちの小さな成長や奮闘ぶりが、静かな感動を呼ぶ一作でした。

作品情報

『ぼくの名前はズッキーニ』(66分/スイス=フランス/2016年)
原題:Ma vie de Courgette
公開:2018年2月10日
配給:ミラクルヴォイス、ビターズ・エンド
劇場:新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて
原作:ジル・パリス
監督:クロード・バラス
脚本:セリーヌ・シアマ
アニメーション監督:キム・ククレール
音楽:ソフィー・ハンガー
声の出演:ガスパール・シュラター/シクスティーヌ・ミュラ/ポーラン・ジャクー/ミシェル・ヴュイエルモーズ/ラウル・リベラ/エステル・ヘナード/エリオット・サンチェス/ルー・ウィック/ブリジット・ロセ/モニカ・ブッディ
声の出演(日本語吹替え版):峯田和伸麻生久美子リリー・フランキー浪川大輔
Official Website:http://boku-zucchini.jp/

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