【映画レビュー】ナイスガイズ! / The Nice Guys
1977年のロサンゼルスを舞台に、ポルノ産業や自動車産業と政府の癒着などの問題に、二人のダメ親父と賢いティーンの娘が挑む映画『ナイスガイズ!』。
ラッセル・クロウが腕っぷしだけが頼りの示談屋・ヒーリーを、ライアン・ゴズリングがいい加減な酔いどれ探偵・マーチを、そして2001年生まれの新星アンガーリー・ライスが賢いマーチの娘ホリーを演じているこの作品。
1970年代の香りたっぷりに、物語の面白さとキャラクターの魅力が映画をリードするポップでエンターテインメントな一作です。
STORY
アメリアという少女からある依頼を受けた示談屋のジャクソン・ヒーリーは、彼女を探す私立探偵のホランド・マーチを殴りつけ、アメリア探しを止めさせる。それで仕事は終わりと思っていたヒーリーだが、アメリアを探す殺し屋二人組に追われることに。そこで再びマーチのもとに出向き、今度は一緒にアメリアを探してくれるように依頼する。マーチの13歳の娘・ホリーと共に彼らはアメリアを探すうち、ある陰謀に巻き込まれていく…。
解説
酔いどれ私立探偵とその娘、腕っぷしが頼りの示談屋、という設定だけで面白そうな本作。
さらにキャストがライアン・ゴズリングとラッセル・クロウと聞けば、面白くないわけがありません。
舞台は1970年代のアメリカ。
ポルノ映画が隆盛を迎え、アメリカの自動車メーカーが大気汚染防止を目的とする大気浄化法(Clean Air Act)の改正に揺れ、環境保護が叫ばれるアメリカを舞台としているのです。
ストーリーにはこれらの問題が巧みに織り込まれています。
ポルノ女優のミスティ・マウンテンズの生死の鍵を握るアメリアという少女を探すうち、謎の殺し屋に追われることとなったヒーリーとマーチ。そんな彼らを、マーチの13歳の娘・ホリーがしっかりとサポートしていきます。
実はこのアメリアはカリフォルニア州司法省長官の娘で、ある陰謀を暴こうとしていたのです。。。
アメリアを追うヒーリーとマーチ、さらに彼らを追う殺し屋のジョン・ボーイ&オールドガイ&ブルー・フェイス。
アメリアはどんな陰謀を暴こうとしているのか?
その陰謀の真相は?
そしてその陰謀の黒幕は…?
複雑に入り組んだストーリーながら、テンポの良さとノリの良さ、俳優やキャラクターの魅力で観客を楽しませ、物語は一気に進んでいきます。
このあたり、やはり『アイアンマン3』を大ヒットに導いたシェーン・ブラック監督の面目躍如といったところでしょう。
また、この作品にはもう一つの魅力があります。
それは、まさに舞台となる“1970年代のアメリカ”を見事に再現していること。
ライアン・ゴズリングの着る大きな襟のジャケットや光沢素材のシャツ、ホリーが着るベルボトムのジーンズやオーバーオール。
アメリアの友人たちが着ているサイケでハッピーなヒッピーファッション。
アース・ウィンド・アンド・ファイアーやビージーズ、ザ・テンプテーションズの音楽やポンティアックやキャデラックなどのアメ車たち…。
リアルに再現された70年代に、観ているだけでもワクワクできるでしょう。
最後の最後まで観客へのサービス精神を忘れない映画『ナイスガイズ!』。
これはぜひ、シリーズ化して欲しいですね。
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作品情報
『ナイスガイズ!』(116分/アメリカ/2016年)
原題:The Nice Guys
公開:2017年2月18日
配給:クロックワークス
劇場:新宿バルト9ほか全国にて
監督・脚本:シェーン・ブラック
脚本:アンソニー・バガロッジ
製作:ジョエル・シルバー
音楽:ジョン・オットマン/デヴィッド・バックリー
出演:ラッセル・クロウ/ライアン・ゴズリング/アンガーリー・ライス/マット・ボマー/キース・デヴィッド/ボー・ナップ/ヤヤ・ダコスタ/マーガレット・クアリー/キム・ベイシンガー
Official Website:http://niceguys-movie.com/
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