【映画レビュー】塔の上のラプンツェル ／ Tangled

キュートな髪長姫が歌って踊って、愛する人と夢を実現させていく、映画『塔の上のラプンツェル』。

ディズニー長編アニメーション第50作目となる記念作品である本作は、目にも美しく耳にも楽しい、夢のように素敵な作品です。
夢を持ち続けることの大切さ、その夢を愛する人と二人で叶えていくことの素晴らしさを教えてくれます。

クエンティン・タランティーノ監督が2010年のベスト映画、第5位に選んだというのも納得の名作！

いやー、大きな緑の瞳のラプンツェルもかわいいけど、『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』のジェイク・ギレンホールを思わせるお尋ね者の泥棒、フリン・ライダーも、フリン・ライダーのライバル、マキシマスくんもステキだったわー。

私は3Dの日本語吹替え版を観たのですが、中川翔子ちゃんの吹替えも良かったです。
でも、マンディ・ムーアの英語版も観てみたいなぁ。

ある国の王様とお妃さまの間に、金髪の美しい姫が生まれました。その姫の髪の毛には、人を癒し、若さを保たせる魔法の力がありました。しかし、その力を知る老婆・ゴーテルにより、姫は誘拐され、高い塔に閉じ込められてしまいます。ラプンツェルと名付けられたその姫は、ゴーテルを母親だと信じて18年間育ってきました。彼女には夢があります。「毎年、私の誕生日に、不思議な光が夜空を覆うの。その光を、一度間近で見てみたい…」

この物語の主人公・ラプンツェルは、自分を誘拐した悪い継母に騙されて、高く狭い塔に閉じ込められているにも関わらず、毎日を明るく楽しく過ごしている、素直ないい子です。
料理や読書、編み物、ギター、陶芸、キャンドル作り、絵画など、趣味も豊富で教養も豊か。

そんな彼女の夢は、毎年自分の誕生日の夜に、空を覆う不思議な光を間近で見ること。
その夢をかなえるため、継母に外に出たいと訴えますが、「外は危険よ。塔の中が一番安全なの。お母様はあなたのために言っているのよ」と、外に出ることを禁じられてしまいます。

そんな時、塔に偶然やって来たのが、フリン・ライダーというお尋ね者。
ラプンツェルは彼と一緒に塔から脱出し、初めて塔の外に出るのです。
そこで初めて、自然の美しさ、人々のやさしさ、初めての恋を知るのですが…。

この作品、夢のように美しい映像に、アラン・メンケンの心が浮き立つような音楽、素敵な物語が一緒になった、素晴らしい作品です。
ふわりと空に浮きあがっていくランタンの美しさと言ったら…ぜひ3D版で見ていただきたいところです。

愛する人と二人で、勇気をもって新しい世界に旅立ち、“夢を叶える”ことの素晴らしさを教えてくれるこの作品。
裏返してみれば「あなたのためよ」と言いつつ、子どもを使って自分の“夢を叶え”ようとする親のエゴを描いている部分もあります。

“夢を叶える”ことはとても素敵なことではあるけれど、エゴイズムとも表裏一体の、難しいことでもありますね。。。