【映画レビュー】STAND BY ME ドラえもん
そう言えば、私、小さい頃ドラえもんのこと大好きだった…。
初めて買ったマンガのコミックスは「ドラえもん」で、毎晩毎晩読んでいたし、初めて観に行った映画は『ドラえもん のび太の恐竜』だったし、誕生日もドラえもんと一緒だし。
と、成長するにつれて忘れていた、幼い頃のドラえもん愛を、この映画『STAND BY ME ドラえもん』は思い出させてくれました。
八木竜一、山崎貴両監督のドラえもん愛がたっぷりと詰まったこの作品。
小さい頃から「ドラえもん」のコミックス(特に1巻から5巻までの初期作品)を読んで育って来たアラフォーの方なら「おお! 原作通り!!」と思わず興奮してしまうこと請け合いです。
逆に、コミックスを通らずにアニメから入った人には、「ちょっと違う…?」と思う人もいるかもしれませんが。。。
STORY
いろいろと残念な少年・のび太のところに、孫の孫のセワシとネコ型ロボットのドラえもんが、22世紀の未来からやって来る。「のび太を幸せにしないと未来に帰れない」という“成し遂げプログラム”をセットされたドラえもんは、大好きなしずかちゃんとの結婚を目標に、「刷り込みたまご」「ガリバートンネル」など様々なひみつ道具を出してのび太を幸せにしようとする。ある日二人は、タイムマシンで20年後の未来を見に行くのだが…。
解説
子どもの頃から原作ファンだったという山崎貴、八木竜一の両監督が“原作原理主義”で国民的人気マンガを3DCG化したこの作品。
藤子・F・不二雄の原作コミックスの中から、「未来の国からはるばると」、「さようなら、ドラえもん」などの7話をもとに、95分の作品を作り上げています。
これがね、本当にコミックスの絵が目に浮かぶような原作どおりの作品なのです。
「そうそう、ドラえもんって口の形が“3”になることあるよね」
「そして口のはしになんか“ぽこ”っとした部分もあるある」
「そう言えば、のび太がジャイアンに殴られている時、確かにこんな顔をしてた」
と、いろいろ思い出させてくれたのでした。
紙に描かれたキャラクターたちが、そのままの姿で、3DCGで再現されている様子は、なんだかとても感慨深いものがありますね。
さらに、コミックスそのままでありながら、ちゃーんとリアリティもあるという…。
スネ夫の髪型をきれいに立体化させているあたりも、なんだかさすがです。
もちろん、キャラクターの造型だけでなく、映画のカット割りも、コミックスのコマ割りをさりげなく再現した見事なもの。
これはやはり、原作を愛している人ならではの仕事だと思います。
また感動的なのは、1970年代の子どもたちが観ていた風景をそのままに再現した世界観です。
この映画では、原作が最初に描かれた時代の世界観がそのまま再現されているのです。
例えば、のび太たちが暮らす街並みは、1970年代に子ども時代を過ごしていた人びとの記憶の中にある“あの頃の街並み”。
そして、この映画の中に出てくる未来の世界も、まさに“あの頃夢見ていた、未来の世界”なのです。
個人的に面白かったのは、未来の(多分)赤坂見附あたりの描写。
プリンスメロンホテルがあり、未来のTOYOTAカーで空中の道路をちょっと走ると未来の森ビルがあり、未来のPanasonicなどの看板が輝き…。(車のナンバーがドラえもんの誕生日になっていたりするあたりも、ドラえもんへの愛を感じます)
今となってはレトロフューチャーでSFチックな街並は、子どもの頃に抱いていた「明るい未来への夢」を思い出させてくれたような気がします。
この映画『STAND BY ME ドラえもん』、子どもだけでなく、ぜひとも大人に観て欲しい一作です。
作品情報
『STAND BY ME ドラえもん』(95分/日本/2014年)
公開:2014年8月8日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作:藤子・F・不二雄
監督:八木竜一
監督・脚本:山崎貴
主題歌:秦基博
声の出演:水田わさび/大原めぐみ/かかずゆみ/木村昴/関智一/妻夫木聡
公式HP:http://doraemon-3d.com/
関連商品
ポニーキャニオン (2015-02-18T00:00:01Z)
¥5,321
ポニーキャニオン (2020-11-18T00:00:01Z)
¥3,500
小学館
売り上げランキング: 436
売り上げランキング: 652
アリオラジャパン (2014-08-06)
売り上げランキング: 33
売り上げランキング: 2,262
売り上げランキング: 18,020