【映画レビュー】パブリック・エネミーズ / Public Enemies
ジョニー・デップが実在の銀行強盗ジョン・デリンジャーを演じた映画『パブリック・エネミーズ』。
うーん、なんというか…、ジョン・デリンジャーのどこがそんなにいいのか、よくわかりませんでした。
アメリカでは過去に三度も映画化された、人気のキャラクターなんでしょうけれど…なんで?
他の監督がデリンジャーを描いた映画だと、彼の魅力がもっと伝わってくるのかもしれませんが。
<STORY>
アメリカの大恐慌時代、銀行強盗ジョン・デリンジャーは“義賊”と民衆からもてはやされていた。そんな彼をFBIは“社会の敵ナンバー1”と呼び、彼を捕まえるためにメルヴィン・パーヴィス捜査官を筆頭として特別室を設けるほどだった。ある日、ジョンは魅力的な女性、ビリー・フレシェットと出会う。恋に落ちたふたりだが、ジョンはFBIに逮捕されてしまう。偽物の銃で脱獄したジョンは、ビリーに会いに行こうとするのだが…。
<解説>
ジョニー・デップが演じるジョン・デリンジャー。
“義賊”と呼ばれていた、というから、アメリカ版鼠小僧みたいな、庶民に富を還元するヒーローを想像してたんですが、別にそういうものでもないんですね。
彼を捕まえようと必死なお上を、鮮やかに翻弄する姿に庶民は拍手喝さいしたということなんでしょうか。
とすると、鼠小僧というより石川五右衛門とかの方が、イメージ的には近いのかな?
なんだかこの映画、登場人物たちの感情がよく伝わって来ないのですよね。
なんでジョンがナイトクラブでビリー・フレシェット(マリオン・コティヤール)に惚れたのか。
そして、なぜビリーもジョンに付いて行こうと思ったのか。
ジョンは、彼女の職場に押し掛けて「俺の女になるなら言うことを聞け」というような男です。
演じているのがジョニー・デップだから強引でカッコいいけれど…、やってること、ストーカーだよね?
その上、自分の願望が達成されないとすぐカッとなる感じは、いずれDVに発展しそう。
なんだか、強引なDV男と「彼は私がいなくちゃダメなの」と言ってどんなに暴力を振るわれても付いて行く女性(映画中では暴力は振るわれてませんが)という、共依存カップルのように思えてしまったのでした。
それにしても、当時のギャングって、あんなに街中で機関銃やライフルをぶっ放しまくってたのでしょうか。
銃撃戦が派手すぎて、観ていてちょっと不快なほど。
銃撃戦をあんなに執拗に描くのなら、もうちょっと心理描写を増やして欲しいと思いました。
あ、そう言えば、ジョンを追い詰める捜査官役でクリスチャン・ベールが出演しているのですが、今回のクリスチャン・ベールはとっても素敵でした。
いつも「彫りが深すぎて、カッコよいのかよくわからない…」と思っていたのですが…、なんでだろう。
昔風のスーツと帽子、髪型のせいかな。。。
『パブリック・エネミーズ』(141分/アメリカ/2009年)
原題:Public Enemies
公開:2009年12月12日
配給:東宝東和
劇場:TOHOシネマズスカラ座ほか全国にて
監督:マイケル・マン
出演:ジョニー・デップ/クリスチャン・ベール/マリオン・コティヤール/ビリー・クラダップ/スティーブン・ドーフ/デヴィッド・ウェンハム/チャニング・テイタム/キャリー・マリガン
公式HP:http://www.public-enemy1.com/
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