【映画レビュー】映画「猫忍」
“猫”と“忍者”という、個人的な大好物が二つも揃ってしまった『映画「猫忍」』。
これはもう、見ないわけにはいかない…と、ドラマ版の時から楽しみに見ていました。
この作品で“父上”を演じているのは、猫の金時ちゃん。
なんと、撮影時は体重が8.5キロもあったそう。
こんなおデブ猫を抱えて殺陣をするなんて、考えただけでも大変そう。
しかも、猫を抱えて戦うという特性上、長刀や忍者刀を使うこともできず、苦無(くない)での接近戦が多くなってしまったそうで、殺陣師の方も主演の大野拓朗くんも、相当苦労したのではないかしら…。
<STORY>
霧生忍者の久世陽炎太は抜忍となり、父親の久世剣山が変化した猫の“父上”と共に秘伝の巻物を探す旅に出る。しかし、霧生忍者の頭首・桂木は抜忍となった陽炎太を許さず、青目という追い忍をを差し向けるが、なかなか陽炎太を捕まえることができないでいた。新たな追い忍として選ばれたのは、凄腕のくノ一・紅葉。陽炎太の宿泊する宿の女中となった紅葉は、自身も“真心”という猫を飼い、陽炎太に近づく。陽炎太も紅葉に心を許しはじめ…。
<解説>
「猫侍」シリーズに続く、猫が登場する時代劇を描いた「猫忍」シリーズ。
本来ならば掟や武士道などに縛られ、自由よりも規律や組織を重んずる“忍者”や“武士”といった存在が、猫と暮らすことで自由を知り、自らも自由に生きて行くようになる姿を描いています。
この映画の前日譚としてドラマが存在しているのですが、このドラマでは新米忍者の久世陽炎太がいなくなった父親そっくりの猫と出会い、その猫が父親が変化の術を使って変身した姿だと信じながら、忍者としての生き方に疑問を抱くようになり、抜忍となるまでを描いています。
映画版で描かれるのは、抜け忍となってから、変化の術について書かれた秘伝の巻物を探しながら、父親の真実に近づいていく姿です。
ドラマ、映画を通して描いているのは、忍者・久世陽炎太の成長ぶり。
自らのあり方や生きる世界に疑問を抱き、自分の頭で考え、組織を抜けていく姿は、現代の若者にも通じるものがあります。
喋り口調などもかなり現代的に描かれているので、普通の時代劇よりはかなり親しみやすいと言えるでしょう。
そして、忘れてはいけないのは“父上”を演じる猫の金時ちゃんのふてぶてしさと、“真心”を演じるあんみつちゃんの可愛らしさ。
特に、金時ちゃんに睨まれてシュン…と萎縮するあんみつちゃんとか、可愛らしすぎて、猫好きにはたまらないシーンももりだくさんです。
映画『猫忍』渡辺武監督インタビュー:http://cinema.co.jp/article/detail?tab=news&id=34862
『映画「猫忍」』(95分/日本/2017年)
公開:2017年5月20日
配給:AMGエンタテインメント
劇場:全国にて
原案・脚本:永森裕二
監督:渡辺武
脚本:黒木久勝/池谷雅夫
出演:大野拓朗/鈴木福/藤本泉/永澤俊矢/麿赤兒/船越英一郎/佐藤江梨子/渋川清彦/ふせえり/柄本明
語り:森本レオ
Official Website:http://neko-nin.info/
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