【映画レビュー】劇場版 MOZU
凄まじい迫力のアクションと俳優たちの怪演で「おお、こういう日本映画、久しぶりに観た…」と驚かせてくれた映画『劇場版 MOZU』。
俳優たちは、ちょっと位置を間違えれば真っ逆さまに落ちてしまいそうな高所でガチアクションを見せ、ペナム(ロケ地はフィリピン)の路上では軍用車とトレーラーの激しいカーバトルをしてみたり、さらには走行中のトレーラーにロケットランチャーをぶっぱなしてみたり、激しい炎の燃えさかる中で格闘をしたり、もうまさに命がけと言った感じ。
さらに、俳優たちの凄まじい狂気の演技も必見。
特に、今作から登場した青髪のテロリスト・権藤剛を演じる松坂桃李なども、いつもの爽やかな美貌などかなぐり捨て、明らかにイッてしまった目つきは凄まじく、東和夫を演じる長谷川博己の二人のシーンなどは、まさに狂犬対決と言った雰囲気です。
ドラマ版から監督を努めてきた羽住英一郎監督は、「とにかく振り切れ!」と指示をしていたそうで、まさにアクションも演技も振り切りまくっているのです。
<STORY>
東京・港区の高層ビル占拠・爆破とペナム大使館襲撃という二つのテロ事件が同時に起こる。この二つのテロの標的は、ペナム大使館の中で暮らしていた少女・エレナだった。エレナは元刑事・大杉の事務所にエレナを匿われたが、テロリスト・権藤に大杉の娘・めぐみと明星美希が拉致されてしまう。権藤の背後には、日本の戦後史を影で操ってきた“ダルマ”の存在があった。公安警察官の倉木と大杉は、エレナを連れてペナム共和国にわたる。
<解説>
2014年にスタートしたドラマ「MOZU Season1 ~百舌の叫ぶ夜~」。
逢坂剛の小説「百舌の叫ぶ夜」を映像化した、ハードボイルドドラマです。
警視庁公安部に所属する公安警察官の倉木尚武(西島秀俊)を主人公とするこの「MOZU」シリーズ、いよいよこの映画『劇場版 MOZU』で完結となります。
本作で倉木たちが挑むのは、数々の陰謀の黒幕である“ダルマ”。
ダルマの手下が起こしたテロに居合わせた倉木と、娘をテロリストに誘拐された警視庁捜査一課の元刑事で現在は探偵をしている大杉(香川照之)は、ダルマの待つペナム共和国に向かうこととなります。
ダルマの正体とはなんなのか?
ダルマは何のためにそんなテロを起こさせたのか?
東や権藤、犯罪プランナーの高柳隆市(伊勢谷友介)らは、なぜダルマのために働いているのか?
観客が抱く、多くの謎に、本作では答えが明かされます。
そして、倉木がドラマシリーズからずっと抱いてきた、「娘はなぜ死んだのか?」「妻はその時何をしていたのか?」という疑問にも、答えが与えられます。
これらの答えは、拍子抜けするほどシンプルなもの。
でも、都市伝説や、陰謀論の真実というのは、意外とこういうものなのかもしれません。。。
日本では絶対に不可能な激しいカーアクションや凄まじい格闘アクション満載で、スタッフ・俳優陣の本気を感じさせる本作。
その演技、アクションの持つ熱量のすさまじさ、堪能させていただきました。
そうそう、羽住英一郎作品といえば、エンドロールで出演俳優やスタッフたちがオフショットの笑顔などを見せていることでも有名です。
同じようなアクションの『ワイルド7』でも、劇中の雰囲気とは全く違う笑顔の俳優たちの映像に、余韻をぶち壊されたように感じ、私などはちょっと白けてしまったものです。
さて、この作品はどういうエンドロールになっているのでしょうか…?
それは、ぜひ劇場で確かめてみてください。
『劇場版 MOZU』(116分/日本/2015年)
公開:2015年11月07日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作:逢坂剛
監督:羽住英一郎
脚本:仁志光佑
音楽:菅野祐悟
出演:西島秀俊/香川照之/真木よう子/池松壮亮/伊藤淳史/杉咲花/阿部力/伊勢谷友介/長谷川博己/小日向文世/ビートたけし/松坂桃李/マーシュ彩/音月桂/篠川桃音/平澤宏々路
Official Website:http://www.mozu-movie.jp/
TCエンタテインメント (2016-05-11T00:00:01Z)
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