【映画レビュー】神様はバリにいる
「アニキ、あなたまさに鴨居の大将じゃないですか…」と、朝の連続テレビ小説「マッサン」を毎日見ている私にとってはデジャブ感がハンパなかったこの作品『神様はバリにいる』。
尾野真千子演じる破産寸前の女社長が、バリで堤真一演じる大富豪のアニキと出会うのですが、このアニキの関西弁と前向きな経営者っぽい言葉が鴨居の大将そっくり。
今にも「やってみなはれ!」と言い出すのではないかと、ついつい期待してしまったのでした。。。
<STORY>
婚活ビジネス会社を経営していたが失敗して借金まみれになった女社長の照川祥子。自殺しようとやって来たバリで出会った日本人青年・リュウにアニキと呼ばれる日本人男性を紹介される。アニキはパンチパーマに眉ナシ、見るからに怪しい風体だが、不動産ビジネスで成功した大富豪だという。“お金持ちになるためのコツ”を学ぼうとする祥子はアニキに弟子入り。いくつもあるアニキの大邸宅で掃除をしたり、笑顔と挨拶の訓練を受けるが…。
<解説>
クロイワ・ショウがバリで出会った大富豪の言葉をまとめたサクセスハウツー本「出稼げば大富豪」を李闘士男監督が映画化した本作。
Tシャツ短パンにぶっとい金のチェーンネックレス、パンチパーマに眉ナシという怪しい風体ながら、バリの人たちの経済を循環させ、人びとを笑顔にしているアニキを堤真一が演じています。
物事をガハハと笑い飛ばし、バリの子どもたちに靴を与えたり、バリの大人たちに仕事や職場を与えている彼は、一見コワモテなものの、なんとも魅力的です。
対して、彼から“お金持ちになるためのコツ”を学ぼうとする女性を演じるのは、尾野真千子。
口角も下がり笑顔もなく、自分の不運を人のせいにしてばかりいる彼女、素人目に見ても、運を自分から遠ざけていそうなタイプ。
そんな彼女がアニキの傍で過ごすうち、考え方から表情まで変わってきます。
彼女のビフォアアフターを見れば、どちらが幸せになれそうかは、一目瞭然。
確かにアニキの格言は聞きそうです。
まあ、アニキの言葉を信じたからって“大金持ち”になれるかどうかは微妙ですが…、毎日を笑顔で過ごし、周囲の人を笑顔にすることはできそうです。
そこからいいスパイラルがうまれれば、大金持ちになれなくもない…のかな?
それにしてもアニキ、「No Aniki No Life!」のTシャツはちょっとやり過ぎでは。
なんか、意味の取り方によってはブラック企業のカルト的な経営者みたいに見えちゃうよ。。。
『神様はバリにいる』(107分/日本/2014年)
公開:2015年1月17日
配給:ファントム・フィルム
劇場:新宿バルト9ほか全国にて
原案:クロイワ・ショウ
監督:李闘士男
脚本:森ハヤシ
出演:堤真一/尾野真千子/ナオト・インティライミ/菜々緒/玉木宏
Official Website:http://www.kamibali.jp/
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