ゼロ・グラビティ / Gravity
“Gravity”という原題で、重力ゼロの世界を圧倒的なリアリティで描き出した映画『ゼロ・グラビティ』。
サンドラ・ブロックが、身ひとつでは呼吸もできず、宇宙服なしではすぐに死亡してしまうような宇宙空間で、必死に生き抜こうとする姿を描いた作品です。
観ている間中、身体がどこかを漂っているような浮遊感、身動きのとれないような不自由さ、呼吸を充分にできなような息苦しさを感じるこの作品。
“新しい映像体験”というのは、まさにこの映画のためにあるような言葉です。
ぜひ、IMAXなどの大スクリーンで、3Dで観て欲しいと思います。
<STORY>
初めてスペースシャトルに乗り込んだメディカル・エンジニアのライアン・ストーン博士は、ベテラン宇宙飛行士のマット・コワルスキーらと宇宙空間で船外作業を行っていた。しかし、人工衛星の破片による事故で宇宙空間に放り出されてしまう。コワルスキーによってなんとか助けられるが、スペースシャトルは破壊されストーンとコワルスキー以外の乗組員は全員死亡、地上とも連絡が取れない。彼らは地球に帰還することができるのか…!?
<Cheeseの解説>
宇宙を舞台に、アルフォンソ・キュアロン監督が実写とコンピューター・アニメーションとCGIを組み合わせ、3Dのための新しい映像を作り出したこの作品。
しかし、この映画の売りは、“3D”だけではありません。
3Dという技術を最大限に活かす舞台として、上も下もない“宇宙”という空間が選ばれ、物語が作られたのです。
この舞台となる“宇宙”にあるのは、圧倒的な孤独。
人を飲み込むような巨大な宇宙、頭上や足下に広がる広大な地球、果てしなく続く暗闇。
宇宙の中にいると、人はあまりにもちっぽけで、なんの寄る辺もなく、そこでただ生きるだけでも難しいことです。
そんな中にただ一人取り残された女性、ライアン・ストーン博士。
地球にも寄る辺なく、生きる理由も見つからない彼女は、圧倒的な孤独を体験し、“美しい青い瞳”の存在に助けられ、生き抜く力を得るのです。
そして、圧倒的なまでに美しく青い地球に戻るため、死にものぐるいでもがくのです。
彼女を助けた“美しい青い瞳”がなんであれ、私は宇宙に不思議な畏怖を抱きました。
育った環境や受けた教育により、この存在を何と考えるかは違ってくるのでしょう。
あの圧倒的に美しく神秘的な映像を前にすると、そう言った“何か”が存在するということを認めずにはいられない気がします。
あの宇宙の美しさを観た後で見ると、泥臭い地球の風景も新しいものに見えるから、不思議なものです。
と、まあ、哲学的にも考えられる作品ではありますが、あの映像を観るだけでも価値あり。
映画史に残る名作にリアルタイムに体験できたことに感謝したい…、そこまで思わせてくれるような、絶対に、映画館で観ないと損をする映画です。
『ゼロ・グラビティ』(91分/アメリカ/2013年)
原題:Gravity
公開:2013年12月13日
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作国:全国にて
監督・脚本・製作・編集:アルフォンソ・キュアロン
出演:サンドラ・ブロック/ジョージ・クルーニー
声の出演:エド・ハリス/ファルダット・シャーマ/エイミー・ウォレン/バシャール・サヴェージ
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/
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