バクマン。

“友情”、“努力”、“勝利”というテーマを掲げ、日本人のほとんどが手に取ったことがあるであろう漫画週刊誌、週刊少年ジャンプ

この週刊少年ジャンプで人気漫画家になることを目指す二人の少年が主人公という、週刊少年ジャンプに連載されたメタ的な構造の漫画「バクマン。」

この「バクマン。」を映画化したのが、映画『バクマン。』です。

徹底的なアンケート主義に裏打ちされ、アンケートが悪ければすぐに打ち切り、でも人気漫画はメディアミックスされいつまでも連載を終われない…。

脚本も手がけた大根仁監督は、多くの読者が知っているこの週間少年ジャンプにまつわるコンセンサスを利用し、見事な“友情”、“努力”、“勝利”のスポ根的な少年漫画の王道物語に仕上げています。
体力を振り絞って、目標を達成するために、仲間と共闘する二人の少年の姿は、まさにスポ根映画の主人公のソレでした。

<STORY>
高校二年生の真城最高は、同級生の高木秋人とコンビを組んで漫画家を目指すことになる。秋人が原作、最高が作画を担当して書き上げた処女作を週刊少年ジャンプの編集部に持ち込んだ二人は、編集者の服部と出会う。やがて、秋人と最高の作品は新人の登竜門である手塚賞に準入選する。授賞式で同じ高校生漫画家で“10年に一人の天才”と言われる新妻エイジと出会った二人は、新妻エイジに勝つことを目標に、連載を目指して漫画を描き続ける。

<解説>
2008年から2012年まで週間少年ジャンプで連載され、全20巻の単行本が発行されているコミックス「バクマン。」
「DEATH NOTE」大場つぐみ小畑健のコンビが原作を手がけています。

ある意味、佐藤健演じるこの主人公の真城最高は、ものすごく王道のヒーローです。
彼の実の叔父は、かつて週刊少年ジャンプで活躍していた人気漫画家・川口たろう(宮藤官九郎)。 
最高が幼い頃、この叔父はアンケート結果の凋落により連載を打ち切られ、さらに長年の激務がたたって病気で亡くなってしまいます。

最高は、“選ばれた血筋”、“約束された才能”を持ちつつ、漫画家の道を嫌悪していた少年なのです。
そんな最高は、“運命のパートナー”である同級生の高木秋人(神木隆之介)と出会い、彼に触発され、自分の中に眠っていた漫画家の“才能を覚醒”させていきます。

“漫画家”というテーマに少年漫画の王道設定を当てはめたこの映画『バクマン。』は、そのコミックスの6巻から7巻にかけてのエピソードを中心に、少年漫画の王道である主人公たちの“友情”、“努力”、“勝利”を描いています。

その友情とは、主人公の漫画家コンビである真城最高と高木秋人の友情であることはもちろん、漫画家のライバルである福田真太(桐谷健太)、平丸一也(新井浩文)、中井巧朗(皆川猿時)らとの同志的な友情でもあり、担当編集者である服部哲(山田孝之)との師弟的な友情でもあり、最大のライバルである新妻エイジ(染谷将太)との好敵手的友情でもあります。
「面白い漫画を作ろう!」と死力を尽くして戦う漫画家たち、彼らを陰日向にサポートする編集者の墨汁まみれの“友情”と“努力”が、暑苦しくなく描かれているのです。

本作の中で注目して欲しいのは、主人公たちが漫画を描く時のギミックに満ちた作画シーン。
最高や新妻エイジのペン入れや、秋人がスクリーントーンを貼ったりするシーンが、プロジェクションマッピングのような映像と共に、まさにアクションシーンとして描かれているのです。
漫画家にとって、漫画を描くというのは、まさにライバルや、編集者や、アンケートや、読者や、自分や…とにかく漫画を読むすべての人との格闘なのだなあということが、視覚的によくわかるシーンです。

また、サカナクションの手がけた音楽も、ポップでリズミカルで、まさに現代の高校生たちの青春模様にぴったりとはまっています。
まんが道を軽やかに駆け抜ける最高と秋人には、弾むような四つ打ちのビートがもっとも似合っている気がします。

20巻分の漫画を、120分の物語に凝縮したこの映画、原作とはちょっと設定を変えていたりする部分ももちろんあります。
でも、「少年漫画の王道設定の中で、主人公が漫画家を志す中、大きく成長していく」という基本設定はしっかり守られているし、原作ファンも十分楽しめる内容になっているのではないでしょうか。

さすが『モテキ』の大根仁監督、現代の若者たちの等身大の姿や、現代のポップカルチャーを軽やかにわかりやすく描かかせたら、彼の右に出る者はいないのではないでしょうか。

『バクマン。』(120分/日本/2015年)
公開:2015年10月3日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作:大場つぐみ小畑健
監督・脚本:大根仁
エグゼクティブプロデューサー:山内章弘
企画・プロデュース:川村元気
音楽:サカナクション
出演:佐藤健神木隆之介小松菜奈桐谷健太新井浩文皆川猿時宮藤官九郎山田孝之リリー・フランキー染谷将太
Official Website:http://bakuman-movie.com/

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