【映画レビュー】Daughters

映画チラシ『Daughters ドーターズ』5枚セット+おまけ最新映画チラシ3枚

中目黒を舞台に、二人の27歳女性の人生の選択を描いた映画『Daughters』
東京で暮らし、働き、日々を楽しみ、仕事に勤しんでいる女性たちであれば、きっと強く共感できるであろう映画です。

仕事も遊びも女友だちとの日々も、楽しいこともあれば、辛いこともある。こんな日がいつまでも続くはずと思っていた。
でも、どこかで選択を突きつけられ、いつの間にか日々は変化していく…。

中目黒ではないものの、目黒川沿いに暮らしていた私にとっては、目黒川の桜や葉桜など、自然の移ろいを感じながら日々を送っていたあの頃を、思い出させてくれた一作でした。

 
<STORY>
27歳の親友同士、小春と彩乃は中目黒でルームシェアをしながら暮らしている。イベントデザイナーの小春、ファッションブランドでプレスをしている彩乃、二人とも仕事に遊びに充実した日々を送っていた。ある日、小春は彩乃から妊娠したことを告げられる。その妊娠を父親である男性には知らせず、シングルマザーになると言うのだ。小春は重大な決意をした彩乃を支えていこうと決める。そんな小春の心に去来するのは、二人で過ごした日々だった…。

 
<解説>
ファッションイベント演出家、映像作家である津田肇の初の長編映画監督作である本作。
監督のホームグラウンドでもあるという中目黒を舞台に、二人の女性の心の変遷、かすかな関係の変化を描いています。

阿部純子演じる彩乃、三吉彩花演じる小春、主人公の二人は言ってみれば多くの若い女性が憧れるような、ファッション雑誌から出てきたような女性たちです。

ファッションブランドのプレス、イベントデザイナーという仕事。
中目黒でルームシェアというライフスタイル。
美人でスタイルもよく、男友だちもいて、食事や飲みなど好きにいけるだけの経済力もある。

ネイルなどの手入れも欠かさず、バリバリ仕事をし、たまには華やかなパーティーなんかにも行ったりもし、仕事で徹夜をした日には築地にお寿司を食べに行ったりもし、東京という街を24時間楽しんでいる。
我が世の春、とまでは行かないものの、そんな楽しい日々は永遠に続くように思っていたことでしょう。

そんな日々の中、ある男性と一夜の関係を持ち、妊娠した彩乃は、その妊娠を父親である男性に告げることなく、一人で赤ん坊を産み、育てることを決意します。
なぜ彩乃が妊娠を彼に告げないか、なぜシングルマザーとなっても子どもを産むという選択をしたのか、その理由は劇中では明かされません。もしかすると、少し疎遠になっている(でも愛されてはいる)父親と祖母、そして劇中には出てこない母親のことと、関係があるのかもしれません。
ただ彩乃はその決意をし、その決意を実行しようとするのです。

小春にとって、ルームシェアをしている親友が一人で子どもを産むということは、一緒に暮らしている自分が父親のような役割を果たす必要も出てくるということ。
そんな重責や、妊娠によって少しずつ心と体を変化させていく彩乃に戸惑ったり怒ったりしながらも、彩乃のの選択を受け入れていきます。
自分抜きにくだした彩乃の決断と、これまでの楽しい日々が去っていくことに一抹の寂しさを覚えつつ……。

27歳。ただでさえ、女性にとってはキャリア、恋愛、結婚、出産などで悩むポイントの多い年代。
彩乃が下した決断には正解も間違いもありません。ただ、その決断を後から振り返った時に正解だと思えるよう、日々を生きるしかないのでした。

これまでファッションの世界で活躍してきた津田肇が手がけた本作だけあって、二人が暮らす家のインテリアや二人のスタイリングなどもとてもファッショナブル。
ファッションブランド「tiit tokyo」のデザイナー・岩田翔がこの作品のために作ったファッション界で働く女性たちのリアルクローズを感じさせる衣装も見どころです。

『Daughters』(105分/日本/2020年)
公開:2020年9月18日
配給:イオンエンターテイメント、Atemo
劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開
監督・脚本:津田肇
製作:伊藤主税
ファッションディレクター:岩田翔
主題歌:chelmico「GREEN」
出演:三吉彩花阿部純子黒谷友香大方斐紗子鶴見辰吾大塚寧々
Official Website:https://daughters.tokyo/

 

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存