【映画レビュー】カーズ2 / Cars 2
天才レースカーのライトニング・マックィーンと、おんぼろレッカー車のメーターの友情を描いたピクサーアニメ、『カーズ2』。
実はこれ、男の友情ものとしてだけでなく、スパイ映画、レース映画としても楽しめます。
そして、何と言っても脇キャラが秀逸!
自分大好きなイタリアのレースカー、フランチェスコ・ベルヌーイと、チョビひげ英国スパイ、フィン・マックミサイルの二人に、もう釘付け。
こういう細かいところまで演出が行き届いている感じ、さすがピクサーだと思います。
<STORY>
天才レーサーのライトニング・マックィーンは、新しいクリーン燃料“アリノール”を使うワールド・グランプリというレースに参戦することになる。親友のメーターと共に、第一戦が行われるトーキョーにやって来たマックィーン。しかし、メーターは初めてのトーキョーに大はしゃぎで、マックィーンはそんな彼を恥ずかしく思ってしまう。そんな最中、レース中にメーターがスパイと勘違いされ、英国のスパイと一緒にある陰謀を暴くことになる…。
<解説>
今回、マックィーンとメーターはワールド・グランプリに参戦することとなります。
ワールド・グランプリは、トーキョー、イタリア、ロンドンと、転戦しながら戦うレース。
彼らはレースをしながら、各地を訪れます。
ワールド・グランプリ第一戦の地がトーキョーなのですが、このトーキョーの描写がなんとも奇妙。
やっぱり、外国人にとって日本のイメージって、フジヤマ、ゲイシャガール、派手なネオン看板、しゃべるシャワートイレと言った感じなのですね。。。
この後に出てくる、イタリアやイギリスの歴史を感じさせる風景と、ケバケバしいトーキョーの描写に、なんだか苦笑するしかありませんでした。
でも、メーターが迷い込む細い裏道の様子などは、なんだかそのまま六本木の裏道のような感じ。
そう言えば、以前日本のウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(配給会社ね)は六本木にあったので、ジョン・ラセター監督は、六本木にもよく来ていたのかもしれませんね。
何かの映画でも、六本木ヒルズでジャパン・プレミアもやっていた気もするし。
さて、この映画の魅力は、やっぱりその個性的なキャラクターにあると思います。
特に、冒頭にも述べましたが、自分大好きなイタリアのレースカー、フランチェスコ・ベルヌーイと、チョビひげ英国スパイ、フィン・マックミサイルの描写は、イタリアの伊達男とMI6のスパイをステレオタイプに描いています。
フランチェスコ・ベルヌーイは、自分とマンマが大好きで、マックィーンがうんざりしているのにも関わらず、巻き舌で言いたいことをまくしたける、愛すべきウザキャラ。
そしてフィン・マックミサイルはチョビひげの気取った自信家スパイ。これはロジャー・ムーアあたりが演じていた007を彷彿とさせるキャラクターです。
マックィーンとメーターは、これらの新キャラ(他にもいろいろいますが)とそれぞれ出会い、それぞれちょっと成長し、お互いにとってお互いがどれだけ大事な友だちなのか、気付くのでした。
そう言えば、この映画、物語は海上の石油掘削基地から始まります。
石油産業と、それにとって変わろうとする新しい大体エネルギー“アリノール”の存在が、大きなモチーフのひとつとなっているのですが…。
エネルギー産業をリードする資本家たちを揶揄する内容となっているこの作品、物語のテーマとは別の、隠されたテーマもあるような気もしますね。。。
『カーズ2』(114分/アメリカ/2011年)
原題:Cars 2
公開:2011年7月30日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
劇場:全国にて
監督:ジョン・ラセター
声の出演:オーウェン・ウィルソン/マイケル・ケイン/ラリー・ザ・ケーブルガイ/ジョン・タトゥーロ/エミリー・モーティマー/ボニー・ハント/グイド・カローニ/トニー・シャロープ
声の出演(日本語吹替え版):山口智充/土田大/大塚芳忠/パンツェッタ・ジローラモ/福澤朗/戸田恵子
公式HP:http://www.disney.co.jp/cars/
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