【映画レビュー】沈黙の宿命　TRUE JUSTICE PART1 ／ TRUE JUSTICE Deadly crossing

2011/6/19 外国映画た行, 映画レビュー

スティーヴン・セガールの「沈黙」シリーズと言えば、シリーズであってシリーズでないことは、皆さんご存知のことかと思います。

しかし、この『沈黙の宿命　TRUE JUSTICE PART1』は違います！
タイトルに「TRUE JUSTICE PART1」と“PART1”がついていることからもわかるように、この『沈黙の宿命　TRUE JUSTICE PART1』はシリーズなのです。
（まあ、正確に言うなら「TRUE JUSTICE」シリーズというべきかもしれませんが…。）
しかも『沈黙の宿命　TRUE JUSTICE PART1』、『沈黙の啓示　TRUE JUSTICE PART2』、『沈黙の背信　TRUE JUSTICE PART3』、『沈黙の弾痕　TRUE JUSTICE PART4』、『沈黙の挽歌　TRUE JUSTICE PART5』、『沈黙の神拳　TRUE JUSTICE PART6』と続くらしいですよ。これは気になるわ～。

ということで、この『沈黙の宿命　TRUE JUSTICE PART1』、観てきました。
うーん、安定感がある！

わかりやすくタイトルを付けるとすると「ボス・セガールと仲間たち」とか、「セガールと危険なヤツら」とでもいう感じの作品でしょうか。
営業周りをちょっとサボって銀座シネパトスで休憩した時に、とか、夜の歌舞伎町でオールナイトで居眠りしながらとか、家のソファでビールとつまみ片手に、とかいった状況で、リラックスしながら観るのにぴったりの一作。
嫌いじゃありません。むしろ、好きな方。

＜STORY＞
犯罪の多発する都市・シアトルにある警察の特別捜査班（SIU）。SIUは、武術の達人イライジャ・ケインの指揮の下、危険な潜入捜査やおとり捜査を多く行う精鋭揃いのチームだ。ある日、かつてケインが暮らしていた旧日系人収容所地区の食料品店で、中国人経営者夫婦が殺されるという事件が起こる。捜査をすすめる内、ロシア人麻薬王・プーチンの名が浮上。SIU捜査員のジュリエットとサラは、プーチンのいるクラブに潜入しようとするが…。

＜解説＞
スティーヴン・セガールが製作総指揮・脚本（共同脚本）・主演を務めるこの作品。
というわけで、“セガールによる、セガールのための、セガールの映画”という趣き。

オフィスで何故か日本刀の手入れをしていたり、急に居合い斬りのシーンが挿入されたり、おいしいところを持って行ったり、「やっぱりケインはさすがね」「ケイン、あんたスゲーよ！」と若者に言わせてみたり、最後は謎の美女としけこんだり。
やりたい放題と言えばやりたい放題ですが、“お約束”を楽しめる人なら、きっと楽しめることでしょう。

セガールが特別捜査班（SIU）のリーダーを演じているこの作品、主人公はセガール演じるイライジャ・ケインですが、実際にメインの事件捜査を担当するのはSIUの精鋭メンバー、4名。
ミーガン・オリー演じる強面美女・ジュリエット・ソーンダーズに、ヒップホップ・アーティスト“ビッグスリープ”ことウィリアム・スチュワート演じる真面目で冷静なアンドレ・メイソン、ウォーレン・クリスティー演じる感情的なイケメン刑事のブレット・ラドナー、サラ・リンド演じる新入りのサラ・モンゴメリ。

この優秀な4名が、危険をものともせず、事件現場に生身で飛び込み、捜査をすすめていきます。
みんなそれぞれに個性のある美男美女です。
この4人の葛藤と成長も、このシリーズの見所と言えるのでしょう。

アクション面でもルックス面でも、年齢的な衰えを感じさせるセガールをこの4名が支えるというのは、なかなか良い構成。
90分、全編にわたってセガールが大活躍するのはさすがにちょっと無理がありますが、地道な捜査や危険な潜入捜査は若手が担当し、最後の大ボス対決には、ボス・セガール自らが乗り出して、美味しいところをさらって行くことができます。

イメージ的には、若手刑事と大物部長という「太陽にほえろ！」シリーズが近いのではないでしょうか…。
（と言いつつ、あんまり「太陽にほえろ！」を見たことがないんですけど）

本国ではTVシリーズとして作られたこの作品、劇場で楽しむのもよいですが、家でのんびり観るのにもむいている作品のように思います。
刑事ドラマを見る感覚で、リラックスしてツッコミを入れながら観てみてください。

『沈黙の宿命　TRUE JUSTICE PART1』（90分／アメリカ／2010年）
原題：TRUE JUSTICE Deadly crossing
公開：2011年7月2日
配給：日活
劇場：銀座シネパトスほか全国にて順次公開
製作総指揮・監督：キオニ・ワックスマン
製作総指揮・脚本：ジョー・ハルピン
製作総指揮・脚本・出演：スティーヴン・セガール
出演：ミーガン・オリー／ウォーレン・クリスティー／ウィリアム・ビッグスリープ・スチュワート／サラ・リンド／ギル・ベロウズ
公式HP：http://chinmoku-tj.com/