【映画レビュー】デビル / Devil
私、実は映画を観終わるまでずうっと勘違いしていたのですが…、この映画、M・ナイト・シャマランの監督作ではなかったのですね。
「あれー、シャマラン作品にしては、すごーくきれいにまとまってて面白かったなぁ」などと思っていたのですが、それもそのはず。
この作品はM・ナイト・シャマランの原案を、若手有望監督が映画化するという「ザ・ナイト・クロニクルズ」シリーズの第一弾だったのです。
シャマランのイマジネーション溢れる発想を、若手監督ジョン・エリック・ドゥードルの的確な演出で映画化したのがこの映画『デビル』だと考えると…。
シャマラン本人が映画化するより、わかりやすくきっちりまとまっているということなのかもしれません。
STORY
フィラデルフィアの高層ビルで飛び降り自殺があった。現場を調査していたボーデン刑事は、その高層ビルのエレベーターが停止し、その中でその中で傷害事件が起こっているという通報を受け、ビルの警備室に出向く。エレベーターの中にセールスマン、警備員、整備工の3人の男と、老女と若い女、計5人が取り残されていた。そして、エレベーターの中の電気が消えた時、若い女が誰かに背中を切られ、出血したと言うのだ…。
解説
この映画、上下逆さまになったカメラがフィラデルフィアの上空をゆっくりと滑空シーンから始まります。
動き自体はゆっくりなのですが、なんだかとても不安定な映像で、観ているうちに平衡感覚がおかしくなるよう。
冒頭から、ぐっと映画の中に引き込まれてしまいます。
この映画では、5人の男女がエレベーターに閉じ込められます。
そして、そのエレベーターの中で、何者かの手によって一人が怪我をし、一人が殺され…。
エレベーターの中では、「隣にいる人が犯人なのではないか」という疑心暗鬼が生まれ、一触即発の空気が高まります。
そのエレベーターの中を、監視カメラから見ている男が一人。
刑事の彼は、エレベーターの中の人びとを救おうといろいろと手を尽くしますが、いっこうにうまくいきません。
何もできないでいるうちに、エレベーターの中では死体が増えて行き…。
エレベーターに乗り合わせた5人の男女、そして刑事。
彼らは偶然そこに居合わせ、事件の当事者となったのか?
それとも、何かの人智を超えた力が、彼らを呼び集めたのか…。
エレベーターの乗客のことを調べているうちに明らかになってくる事実や、刑事の推理など、どんどん畳み掛けるように物語が展開し、飽きさせません。
宗教的なテーマで、日本人にはなかなか馴染みの薄いモチーフですが、テンポの良さとわかりやすい展開で、宗教的な背景を知らない人でも楽しめる内容になっています。
シャマラン原案作品は、テクニックを持った若手が監督すれば、けっこう面白い作品になるんだな…。
「ザ・ナイト・クロニクルズ」シリーズ、第二作目、第三作目もちょっと楽しみになってきました。
別コラム
作品情報
『デビル』(80分/アメリカ/2011年)
原題:Devil
公開:2011年7月16日
配給:東宝東和
劇場:TOHOシネマズ日劇(レイトショー)ほか全国にて
原案・製作:M・ナイト・シャマラン
監督:ジョン・エリック・ドゥードル
出演:クリス・メッシーナ/ローガン・マーシャル=グリーン/ジェフリー・エアンド/ボヤナ・ノヴァコヴィッチ/ジェニー・オハラ/ボキーム・ウッドバイン/ジェイコブ・ヴァルガス
公式HP:http://devil-movie.jp/
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