【映画レビュー】二流小説家 -シリアリスト-
火曜サスペンスなどの二時間ドラマ、けっこう好きです。
でもね、火サスが好きだからって、映画で火サスを見たいとは思わないわけです。
火サスは家でテレビで見るからいいんだよなあ。。。
そんな風に思わせてくれた映画が、この『二流小説家 -シリアリスト-』。
監督を手がけた猪崎宣昭氏は、プレスによると“火曜サスペンスのエース”とも呼ばれる人物だとか。
他にも、東映系のドラマ「相棒 Season3」、「遺留捜査」などの演出を手がけているそう。
この映画の主演でもある上川隆也とコンビを組んで、ヒットドラマを作った人なのですね。なるほどね。
<STORY>
官能小説で身を立てている二流小説家・赤羽一兵のもとに、死刑囚・呉井大悟から手紙が届く。自称写真家の呉井は、モデルとして集めた女性たちを殺し、首を切断して写真を撮った“シリアル・フォト・キラー”と呼ばれる男で、自分の告白本を一兵に書いてよいと言うのだ。その代わりに、自分と呉井に心酔する信者を主人公とした官能小説を書いて欲しいと言う。一兵は三人の女性信者を取材するが、その取材後、彼女たちが殺されてしまい…。
<解説>
宝島社の「このミステリーがすごい!」、早川書房の「ミステリが読みたい!」、文藝春秋の「週刊文春ミステリーベスト10」の3つで海外ミステリ部門1位に輝いた、デイヴィッド・ゴードンの海外ミステリ「二流小説家」(原題「The Serialist」)。
このミステリを日本を舞台に翻案し、映画化したのがこの映画『二流小説家 -シリアリスト-』です。
エロ小説で整形をたてる小説家・赤羽一兵(上川隆也)が、“シリアル・フォト・キラー”と呼ばれる有名殺人犯・呉井大悟(武田真治)に呼び出されたことから、事件に関わり始めます。
そして新たに発生した殺人事件に巻き込まれ、“シリアル・フォト・キラー”の真実に近付いていくのですが…。
海外ミステリを元にした映画らしく、冒頭はドライな感じで思わせぶりに進んでいくのですが、ストーリーはどんどんウェットになっていきます。
シリアル・フォト・キラーを演じる武田真治の狂気の演技、主人公の姪っ子を演じる小池里奈の現代っ子風演技などはなかなか見応えがあるのですが、どうにも全体の演出が…。
ストーリー自体は面白いのに、どうにもお涙ちょうだいになっていく展開や、ラストのテーマ曲の入り方など、「火サスかよ!」と思わず突っ込みたくなってしまいました。
(その後でプレスを読んで猪崎宣昭監督の過去の仕事を知り、なるほどねーと納得したわけです。)
なんていうか…、もったいない一作でした。。。
原作は面白そうなので読んでみようっと。
『二流小説家 -シリアリスト-』(115分/日本/2013年)
公開:2013年6月15日
配給:東映
製作国:全国にて
原作:デイヴィッド・ゴードン
監督・脚本:猪崎宣昭
出演:上川隆也/武田真治/片瀬那奈/平山あや/小池里奈/黒谷友香/賀来千香子/でんでん/高橋惠子/長嶋一茂/戸田恵子/中村嘉葎雄/今野敏/佐々木すみ江/本田博太郎/伊武雅刀
公式HP:http://www.shousetsuka.com/
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