【映画レビュー】探偵はBARにいる

映画「探偵はBARにいる」オリジナルサウンドトラック

“ハードボイルドな探偵映画”って、日本ではなかなかはまらないような気がしてました。
まず、探偵が似合いそうな俳優がいないし、探偵が似合いそうな場所がないし。
「なんかとりあえず、探偵と言えば“浮気調査”とか“身上調査”くらいしかしてなさそう」みたいなイメージ。

でも、いました、探偵が似合う俳優!
そして、ありました、探偵が似合いそうな場所!

大泉洋は探偵が似合う、そして札幌には探偵が似合う!

紫煙くゆるバー、背後に流れるジャズ、美しくもあやしい美女、何を考えているのかわからないあやしい依頼人…、そんな“オトナのオトコの世界”に生きるハードボイルドな探偵の世界で、大泉洋演じる探偵が、ハードボイルドかつユーモラスな、ダサカッコ良い魅力を放っているのです。

映画『探偵はBARにいる』は、そんな素敵な探偵が活躍する映画です。
大泉洋の相棒役で登場する松田龍平もかなりいいキャラで、ゆるーい感じ。
ハードボイルドでありつつも、力を抜いて楽しめる探偵映画なのです。

<STORY>
北海道は札幌のバー「ケラーオオハタ」の奥にいつも陣取り、運転手の高田とオセロゲームを楽しんでいた探偵のもとに、コンドウキョウコと名乗る女性から、一本の電話が入る。彼女は「弁護士のミナミに、2月5日、カトウはどこにいたか聞いてちょうだい」と、報酬10万円で依頼してきたのだ。さっそくミナミに会いに行った探偵は、ヤクザに雪原に生き埋めにされてしまう! なんとか生き延びた探偵は、ミナミたちの周辺を探り始める…。

<解説>

「探偵はBARにいる」VISUAL BOOK (ダ・ヴィンチブックス)

作家・東直己の人気シリーズ「ススキノ探偵シリーズ」の中の一作「バーにかかってきた電話」を映画化した本作。
「相棒」シリーズの須藤泰司プロデューサーが16年あたためてきた企画を、同じく「相棒」シリーズの橋本一監督が演出しています。

それだけに、演出はかなり骨太でしっかりしたもの。
いかにも東映アクション映画の系譜らしい、多勢に無勢の大乱闘などもあり、私なんかは「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズを思い出したりもしてしまいました。波岡一喜とか、ちょっとヤンキーっぽいし。

こういう骨太で伝統を感じさせる演出は、まるで、定番のモルトウイスキーのような雰囲気で、観客をじっくり楽しませてくれることでしょう。
まあ、定番だからこそ、人によっては古くさく感じる場合もあるかもしれませんが。。。

この物語に出てくる登場人物たちは、大泉洋演じる探偵の他、ススキノの街の住人など、みんなうさんくさく、魅力たっぷり。
ファム・ファタールを演じた小雪も貫禄たっぷりだし、悪役の高嶋政伸なんかも、これまでとは違った意味のアクの濃さで、強烈な印象を残します。

濃いキャラクターたちが繰り広げる一つの事件を堪能した後は、無口なマスターのいるバーに行って、ウィスキーを飲みたくなるようなこの映画、なかなかのエンターテインメント作品だと思います。ぜひシリーズ化して欲しい!

うーん、久しぶりにススキノ行きたくなっちゃったなぁ。
今年の冬は、スノボついでにススキノ行きたいなぁ。。。

別コラム:オトコに見せたいこの映画『探偵はBARにいる』

『探偵はBARにいる』(125分/日本/2011年)
公開:2011年9月10日
配給:東映
劇場:全国にて
原作:東直己
製作・脚本:須藤泰司
監督:橋本一
出演:大泉洋松田龍平小雪西田敏行田口トモロヲ波岡一喜有薗芳記竹下景子石橋蓮司松重豊高嶋政伸吉高由里子
公式HP:http://www.tantei-bar.com/

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