【映画レビュー】劇場版 SPEC~天~
「映画化とかぜってーしねーからな」というドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」ラストでの前フリを華麗に受けて、立派に映画化された映画『劇場版 SPEC~天~』。
スペシャルドラマが「SPEC~翔~」で映画版が『劇場版 SPEC~天~』と来れば、続きに起・承・転・結の「ケツ」があるかと思うのですが、「ケツとかぜってーねーからな」ということらしいですよ。
本作は、この壮大な前フリも含めて、コンテキスト全体で味わうべき映画です。
STORY
洋上のクルーザーで複数のミイラ化死体が発見された事件を調べていた、警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策室係(通称ミショウ)の当麻紗綾と瀬文焚流。彼らのもとに死んだはずの一十一(ニノマエ・ジュウイチ)から、“シンプル・プラン”を話し合う御前会議のメンバーを虐殺するDVDが届けられた。そしてスペックホルダー逮捕のため公安部特務選任部が組織されることとなり、当麻と瀬文、瀬文の昔の恋人・青池里子らがメンバーに選ばれた。
解説
警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策室係、通称ミショウに所属している戸田恵梨香演じる当麻紗綾と、加瀬亮演じる瀬文焚流が、“SPEC”という超能力を使って起こす犯罪を調べていく姿を描いたドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」。
演出は「ケイゾク」シリーズ、「トリック」シリーズの堤幸彦ということで、奇妙なキャラ造形や突拍子もない演出などで、多くのファンを産んだドラマです。
奇妙な男女二人組が奇妙な事件を解決していくという大枠は、まさに上記のシリーズそのまま。
(竜雷太演じる野々村万太郎というキャラクターは「ケイゾク」シリーズにも登場していたりと、シリーズの中でのつながりもあったりします)
ただこの『劇場版 SPEC~天~』は、ただ奇妙な事件を解決するだけの物語ではなく、世界征服を狙う“スペックホルダー”たちを、ミショウ及び公安部特務選任部のメンバーたちが倒そうとするという、少し大掛かりな話になってきています。
とはいえ、堤幸彦らしいベタなギャグや妙な演技は盛りだくさん。
むしろ、設定がシリアスな分、ギャグの分量も増えている気がします。
帰国子女設定の栗山千明や、タコ設定の伊藤淳史、マダムヤン(オーバー35くらいの人は知っているはず)役の浅野ゆう子たちは、ほぼギャグ担当と言えるかも。
冒頭で述べた通り、「“結”はねーからな」ということですが、果たしてそれを素直に信じる人がいるのか…。
逆に、この『劇場版 SPEC~天~』で物語が終わったら、それはそれで壮大なギャグということで、面白いと言えるかもしれません。
作品情報
『劇場版 SPEC~天~』(119分/日本/2012年)
公開:2012年4月7日
配給:東宝
劇場:全国にて
監督:堤幸彦
出演:戸田恵梨香/加瀬亮/伊藤淳史/栗山千明/三浦貴大/福田沙紀/神木隆之介/有村架純/岡田浩暉/松澤一之/載寧龍二/椎名桔平/竜雷太/でんでん/浅野ゆう子/麿赤兒/利重剛/向井理
公式HP:http://www.spec-movie.jp/
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