【映画レビュー】パディントン / Paddington
「くまのパディントン」と言えば、赤い帽子にダッフルコート、手に持ったトランクも可愛い子グマの子。
私も、なんとなくですが絵本で読んだような気もします。内容はまったく覚えていませんが、キャラクターはうっすら覚えていたり。。。
そんなパディントンが、CGキャラクターとして映画となったのが、本作『パディントン』です。
ベン・ウィショーが声を担当した、ペルー出身ながらも英国紳士の心を持った不思議な子グマ・パディントン。
この小さなジェントルマンを描いた映画『パディントン』、現代の難民問題や災害被害者問題の解決方法を示唆するような、現代の寓話とも言えるような一作です。
<STORY>
ペルーから船に乗って、赤い帽子をかぶった子グマがロンドンにやってきた。ロンドンにパディントン駅で、家族旅行帰りのブラウン一家は、偶然その子グマを発見。パディントンと名付け、落ち着き先が決まるまでブラウン家に泊めることにする。パディントンは、40年前にペルーにやって来て、彼の叔父と叔母に英語を教え、赤い帽子をくれた探検家をあてにしていた。彼にもらった赤い帽子を手掛かりに、パディントンは探検家を探すが…。
<解説>
1958年にイギリスの作家、マイケル・ボンドによって発表された本「くまのパディントン」。
ペギー・フォートナムの挿絵もあいまって人気を博し、40カ国語以上に翻訳されて、全世界で3500満部以上を売り上げているこのシリーズ。
今回の映画化では、実際の人間達が暮らすロンドンに、まるで本物の子グマのようなパディントンが現れます。
パディントンは暗黒の地・ペルーで暮らしていたのですが、その故郷の森がハリケーンで壊滅。
おじさんはハリケーンで死んでしまい、おばさんは施設に入ることとなり、一人でロンドンまで密入国してくるのです。
このCGキャラクターのパディントンに息を吹き込んだのは、「007」シリーズのQ役でもおなじみのベン・ウィショー。
そして、パディントンがパディントン駅で出会い、世話になるのは、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、マデライン・ハリス、サミュエル・ジョスリンらが演じる夫婦に一男一女、そしてジュリー・ウォルターズ演じる親戚のバードさん、5人で暮らしている、ブラウン家です。
リスクマネジメントの専門家であるブラウンさんは、見知らぬ土地で生まれて風習や生活様式も違うクマが家にやってくることに大反対。
でも、パディントンと暮らすうち、だんだんと彼のことをわかってきて、家族と認めるようになるのです。
ブラウンさんのこの心変わり、あまりにも楽観的すぎる見方でもあります。
しかし、災害や戦争などで住んでいた土地を離れざるをえなくなり、移民や難民も多く発生しているこの時代に対する、ひとつのメッセージのように思えます。
そうそう、このしゃべるクマのパディントン、ニコール・キッドマン演じる謎の女・ミリセントに追い回され、あわやはく製にされそうになるのですが、このニコール・キッドマンがなんとも素晴らしい。
自分の過去を完全にギャグに転化し、自らネタにしてミッションを遂行しています。
完全に狙っているいくつかのシーン、思わず声を出してわらっちゃいました。
『パディントン』(95分/イギリス/2014年)
原題:Paddington
公開:2016年1月15日
配給:キノフィルムズ
劇場:全国にて
原作・キャラクター創造・出演:マイケル・ボンド
監督・脚本:ポール・キング
脚本:ハーミシュ・マッコール
製作:デヴィッド・ハイマン
撮影:エリック・ウィルソン
美術:ゲイリー・ウィリアムソン
音楽:ニック・ウラタ
声の出演:ベン・ウィショー/イメルダ・スタウントン/マイケル・ガンボン
出演:ニコール・キッドマン/ヒュー・ボネヴィル/サリー・ホーキンス/ジュリー・ウォルターズ/ジム・ブロードベント/ピーター・カパルディ/マデライン・ハリス/サミュエル・ジョスリン/ティム・ダウニー/サイモン・ファーナビー/マット・ルーカス/マット・キング
声の出演(日本語吹替え版):松坂桃李/古田新太/斉藤由貴/三戸なつめ/木村佳乃
Official Website:http://paddington-movie.jp/
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