王様ゲーム
金沢伸明原作のケータイ小説をBerryz工房、℃-uteというハロープロジェクトのアイドルたちの出演で映画化した『王様ゲーム』。
ケータイ小説、アイドルというワードから、失礼ながらそんなに期待もせずに観に行ったのですが…、これが期待以上に面白かった!
さすが鶴田法男監督、アイドルの可愛らしさを引き出しつつ、人間心理の怖さを描いています。
<STORY>
高校2年生の本多智恵美のもとに、ある夜、“王様”という差出人から「王様ゲーム」と題する携帯メールが届いた。そのメールは智恵美のクラス全員に届いており、王様の命令には24時間以内に絶対服従の王様ゲームに参加しろと言う。命令を下された生徒たちは、第一の命令、翌日届いた第二の命令には服従する。しかし、その翌日、第三の命令に背いた生徒は、クラスメイトの記憶以外の記録などの全てから、その存在が抹消されてしまっていた…。
<Cheeseの解説>
“王様ゲーム”というと、合コンの定番ゲーム、「じゃあ~、1番と5番がキス~!!」などという楽しくもゲスな感じのゲームがどうしても思い浮かびます。
この映画の中の“王様ゲーム”も、基本は同じ。
「出席番号○番と○番はキスをせよ」というような命令に、プレイヤーが従う形になります。
とはいえ、この映画の中で“王様”になるのは、得体の知れない存在。
誰とも知れない“王様”からメールで命令が送られてくるのです。
しかも、その命令に従わなかった日には、存在を抹消されてしまうという…。
プレイヤーにとっては、なんのメリットもないゲームです。
この王様ゲームとはなんなのか?
王様とは誰なのか?
この王様ゲームを止める方法はないのか?
主人公の本多智恵美は、幼なじみの金沢信明とともに、この王様ゲームについて調べていくのですが…。
この映画の原作は、「E★エブリスタ」において、過去最高の閲覧者数(3000万)を誇るというケータイ小説。
私はケータイ小説をあまり読まないのですが、この恋愛モノや難病モノが多かったケータイ小説の中で、ホラーが珍しかったこともあり、大ヒットを記録したのだそう。
映画の中で登場人物たちは疑心暗鬼に陥ったり、徒党を組んで自分たちだけが生き残ろうとしてみたり、様々な心理合戦を繰り広げています。
小説は未読なのでなんとも言えませんが、こういう心理戦の要素などが、若い読者にも受けたのではないかと思います。
しかし、この映画にはやはり足りない部分も多くあります。
説明不足であったり、演者の演技力不足であったり。
でも、鶴田法男監督の的確な演出と秀逸な心理描写、アイドルたちの一生懸命な演技などで、そのあたりの不足点はうまくカバーされ、なかなかよくできたサイコホラーになっているのではないでしょうか。
『王様ゲーム』(82分/日本/2011年)
公開:2011年12月17日
配給:ビーエス・ティービーエス
劇場:シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開
原作:金沢伸明
監督:鶴田法男
出演:熊井友理奈/鈴木愛理/桜田通/佐藤永典/菅谷梨沙子/中島早貴/須藤茉麻/岡井千聖/嗣永桃子/徳永千奈美/夏焼雅/吉澤ひとみ
公式HP:http://www.ousamagame.com/
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