ニューヨーク,アイラブユー / New York, I Love You
ニューヨークを舞台に、10人の監督たちが描いたラブストーリー・オムニバス映画『ニューヨーク,アイラブユー』。
人種のるつぼと言われるニューヨークだけあって、ユダヤ系、インド系、中国系、ヨーロッパ系と、様々な人たちが様々な恋愛模様を繰り広げています。
でも、ニューヨークに一度も行ったことがないCheeseが言うのもなんなんですが、「え、これがニューヨークなの?」と言う感じ。
摩天楼であるとか、エンパイア・ステート・ビルであるとか、そう言った“ニューヨークのシンボル”的なものをあえて出していないせいなのかもしれませんが。
<STORY>
ニューヨーク、そこは様々なルーツを持つ人々がそれぞれに交錯する場所。日本のアニメの音楽制作を引き受けたミュージシャンがスランプに苦しんでいたり、オペラ歌手が久しぶりに再訪していたり、街角で中国系の美女を作家が口説いていたり。ハイチ系の黒人タクシー運転手は、そんな様々な人々を乗せてきた。そしてビデオアーティストの女性は、そんな様々な人々が行きかう雑多なニューヨークの街を、カメラを通して見つめ続ける。
<Cheeseの解説>
いわゆる、都会派オシャレ系オムニバス・ムービー。
ニューヨークを舞台に、しゃれた会話や切なかったり可愛らしかったりする恋や愛の物語が繰り広げられ、普通に楽しめます。
でも、Cheeseが違和感を覚えたのは、どうしても「まさにこれがニューヨーク!」という感じが持てなかったこと。
インド系やアジア系は出てくるのですが、アフリカ系の人がほとんど出て来なかったのですよね。
物語にはハーレムも出てくるのですが、そこに住んでいるのはオーランド・ブルーム。
もちろん、ハーレムに白人が住んでいることもあるのでしょうし、それ自体はおかしくはないと思うのですが、例えば『プレシャス』に出て来るようなハーレムのイメージとはまったく違います。
雑多な雰囲気の中華街なども出てくるのですが、そこはどうしても西洋人が面白がってエキゾチックな街を描いているという感じで、それほどのリアリティを感じられませんでした。
本当のニューヨークを描くのであれば、もっとホワイト・トラッシュやアフリカ系の怖げな若者、アフリカ系のビジネスマンやプエルトリカンなども出て来るべきなのではないかと感じてしまったのでした。
まあ、こんな風に言いつつも、私自身はニューヨークに行ったことはないんですけどね。。。
作品として普通に面白いことは面白かったのですが、「ちょっとキレイに描き過ぎ」という感じは否めません。
同じプロデューサーの手掛けたパリを舞台にしたオムニバス・ムービー『パリ、ジュテーム』が大好きなので、この作品に対するCheeseの期待が大きすぎたのかもしれませんが…。
でも、個々のストーリーはそれぞれに面白いものも多く、映画としては十分楽しめます。
個人的には、イヴァン・アタル監督のイーサン・ホークがマギー・Qを必死で口説く場面なんか好きだなぁ。
岩井俊二監督のオーランド・ブルームとクリスティーナ・リッチのエピソードも、「いかにも」って感じで可愛らしいし、亡くなったアンソニー・ミンゲラの脚本を引き継いでシェカール・カプールが監督した、古いホテルを舞台にしたストーリーも幻想的で美しかったです。
『ニューヨーク,アイラブユー』(103分/アメリカ=フランス/2009年)
原題:New York, I Love You
公開:2010年2月27日
配給:IMJエンタテインメント、マジックアワー
劇場:TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて
監督:イヴァン・アタル/岩井俊二/ナタリー・ポートマン/ブレット・ラトナー/シェカール・カプール/ミーラー・ナーイル
出演 :オーランド・ブルーム/クリスティーナ・リッチ/ナタリー・ポートマン/ヘイデン・クリステンセン/シャイア・ラブーフ/レイチェル・ビルソン/マギー・Q/イーサン・ホーク/イルファーン・カーン
公式HP:http://www.ny-love.jp/
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