ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション ／ MISSION:IMPOSSIBLE ROGUE NATION

2011年の『ミッション：インポッシブル ゴースト・プロトコル』に続くシリーズ第5弾、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』。

シリーズ中盤にあった“スパイの葛藤”など、もうとうに捨てたとばかりに、冒頭からアクション満載で、とにかく観客を圧倒してきます。

ストーリー的には、二重スパイが登場したり、敵の真意や狙いがわかりにくかったりする部分もあるのですが、もうそんなこと関係なし！

「イーサン・ハント、いいやつ！」
「チーム・イーサン、最高！」

これだけ覚えておけば問題ありません。
危険中毒者のトム・クルーズが見せる、体を張りまくったリアルアクションを思う存分堪能していただければと思います。

米国の諜報機関、IMFことImpossible Misshion Forceは、イーサン・ハントらの勝手な行動のせいでCIAから睨まれ、解体となってしまう。国際的スパイ組織・シンジケートを追っていたイーサンは、催眠ガスにより謎の男の手に落ちるが、謎の美女に助けられた。そのまま潜伏してシンジケートのことを調べていたイーサンは、謎の美女・イルサと再会。彼女はシンジケートに潜入している英国のエージェントだった。イーサンは彼女と共にシンジケートの狙いを解明しようとする。

2012年の『アウトロー』、2014年の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』でタッグを組んだクリストファー・マッカリーを監督に迎えた大ヒットシリーズ第5弾『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』。

今回は、イーサン・ハントの所属する諜報組織・IMF（Impossible Misshion Force）が解散の憂き目に。
しかも、身勝手な行動の上身を隠したため、イーサン・ハントは国際手配になりつつも、自らの信念のため、“シンジケート”という国際的スパイ組織を追い続けます。

その途中で出会ったのが、レベッカ・ファーガソン演じる英国のスパイ、イルサ。
彼女の真の狙いはわからないままに、イーサンは彼女と行動を共にすることになります。

さらに、解散したはずのIMFのメンバーも、「国家の命令なんか知ったこっちゃねえ！」とばかりにイーサンの作戦に参加。
サイモン・ペッグ演じるベンジー、ジェレミー・レナー演じるブラント、ヴィング・レイムス演じるルーサーらが加わって、“チーム・イーサン”一丸となって、“シンジケート”に挑みます。

この“シンジケート”を率いているのは、ショーン・ハリス演じるソロモン・レーン。
レーンの狙いはなんなのか、レーンの背後で糸を引いているのは誰なのか…。
敵の狙いを暴くため、イーサンは今回も不可能なミッションに挑むのでした。

このイーサン・ハント、スーパーマンやマーベル系のヒーローと違い、リアルな人間です。
ですが、空飛ぶ輸送機にしがみつき、うずまく水の中に6分間も潜り、バイクでスーパーチェイスを繰り広げ、まさに超人的な活躍を見せています。（まあ、途中死にかけたりもしてますが）
ここまでくると、ミュータントや宇宙人以上に強靭な肉体を持っているのではないかと思えるほど。
知力、体力、経験値などを総合して考えると、史上最強の人類と言ってもいいのではないでしょうか。

さらに、シリーズ5作目ともなると、イーサン・ハントという人間性もどこかに行っちゃってます。
個人的なしがらみや悩み、苦しみなどはすべて超越し、ただ“世界を救うエージェント”ととしてのみ存在しているようです。
そういえば、自分がエージェントという仕事をしているがために、愛する女性を苦しませたこともありましたからね。。。
もう、イーサンはそんな個人的なことは超越して、世界のために生きることを決めたのかもしれません。

そういえば、イーサン・ハントを演じるトム・クルーズ自身だって、その尽きせぬ前人未到のアクションへの欲求や、「そこまでやらなくても…」と思わせるくらいのファンサービスなどを見るに、もう個人的なことは超越して“ザ・スーパースター”として生きることを決めたかのような、ある種のストイックさを感じさせますよね。

今回のイーサン・ハントは、そんなトム・クルーズの姿勢を反映したかのように、ストイックな“ザ・スーパーエージェント”にバージョンアップしています。
そんな、人類を超越したスーパーエージェントのイーサン・ハントの活躍を、我々人類は、ただただ夢中で楽しめばいいのだと思います。
いやー、やっぱりトム・クルーズは只者じゃないですよ。