犬と猫と人間と2 動物たちの大震災

東日本大震災から2年が経ち、普段の生活では震災のことを忘れることも多くなってきました。
しかし、それは遠く離れた東京に暮らす私だからそう感じるだけで、現地・東北で暮らす人びとや動物たちの生活には、その傷跡は大きく残っているようです。

それを思い出させてくれたのが、この映画『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』

大震災でペットと離ればなれになったり亡くしてしまった人びとや、飼い主と離ればなれになった動物たちを支援する人びと、震災の影響を受けて生活環境が変わってしまった犬や猫、牛などの動物たちの姿を追ったドキュメンタリー。
私達が知らなかったり、気付かなかったり、目を向けようとしていなかった、被災地の現実を教えてくれる一作です。

<STORY>
2011年3月19日、宮城県出身の映像作家・宍戸大裕は故郷に戻り、「アニマルクラブ石巻」の代表・阿部智子さんのもとに向かう。阿部さんはそこで家を失った被災動物たちの世話に奔走していた。そこには様々な事情で動物たちが預けられていた。さらに宍戸は、福島県の避難区域に取り残された動物たちにエサを届ける活動をしている岡田久子さんを知り、彼女の活動に同行。そこで彼は、取り残された犬や猫、そして牛たちの現状を目の当たりにする…。

<Cheeseの解説>
宮城県出身の映像作家・宍戸大裕。
彼が震災後に故郷に入り、そこで出会った人びとや動物たちを映像に残したのが、この作品です。

ここに映っているのは、今確かに東北の地で起こっている現実のひとつです。
飼い主から愛されているペットもいれば、震災で飼い主と離ればなれになったものの施設で無事に暮らしているペットもいる。
そして、福島原発の避難区域内に取り残されるものの、野生化して生き延びている犬や猫、牛もいれば、餓死して死んでしまった犬や猫、牛もいる…。

道ばたで死んでしまった犬や猫、牛舎の中で死んでしまって虫までわいている牛など、ショッキングな映像も多く映し出されています。
あまりの映像に、目を背けたくなる人もいるでしょう。

この作品には、「NPO法人 アニマルクラブ石巻」「一般社団法人 SORA」「LYSTA」「一般社団法人 希望の牧場」「やまゆりファーム」「震災で消えた小さないのち展」などの、被災動物を支援している団体が多く登場します。
彼らは様々な形で、被災動物たちを支援しているのです。

彼らの活動に対し、いろいろな意見もあるかもしれません。
でも、現地で自分の体、自分の時間、自分のお金を使って、本気で現実に立ち向かっている人の行動に、私は敬意を表したいと思います。

彼らが教えてくれた被災地の現実をよりよい方向に変えていくため、私に何ができるのか…。
この映画『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』は、震災から2年、そんな気持ちを忘れかけていた私に、再度、考え直すきっかけを与えてくれました。

『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』(104分/日本/2013年)
監督・撮影・ナレーション:宍戸大裕
構成・編集・プロデュース:飯田基晴
公開:2013年6月1日
配給:東風
劇場:ユーロスペースほか全国にて順次公開
公式HP:http://inunekoningen2.com/

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