陽だまりの彼女

「ああああ、こういう作品なのね…」と思っていたら、意外な方向に進んでいく映画『陽だまりの彼女』
前半はキュートで可愛い恋物語、後半は驚きのファンタジックな運命の物語という、ひとつぶで二度美味しい作品です。

まあ、いろいろ「戸籍はどうなるの?」とか「記憶はなんとかなってもデータとかには残ってるんじゃないのか」とか、「引っ越した家とかは物理的にどうなるんだ」とか、ヤボなツッコミどころは多いわけですが…。

<STORY>
広告代理店の営業マン・奥田浩介は、仕事で下着メーカーの広報担当・渡来真緒と出会う。実は浩介と真緒は中学校時代の同級生で、お互いに初恋の相手だった。再会した浩介と真緒はお互いに気持ちを告白し、付き合うように。初デートで江の島に出かけた時、真緒は浩介を実家に連れて行く。そこで真緒は浩介との結婚を両親に宣言した。その後、浩介は真緒の父親から、真緒には渡来家に里子に来る13歳までの記憶がないことを知らされる。

<Cheeseの解説>
かつて中学時代に淡い初恋を経験したものの、男の子の転校によって離ればなれになっていた二人。
大人になって、仕事で偶然再会し、再び恋に落ちる…。
松本潤上野樹里主演で見せるキュートなラブストーリー、かと思われる映画『陽だまりの彼女』

前半は、若い二人が再会し、お互いに仕事を頑張りながら、再び恋に落ちていく姿を描いています。
このあたり、働く女子ならキュンキュンしちゃったりしてしまうかもしれません。

そして後半、二人が恋に落ちた後、さっそく結婚してしまうのですが、このあたりから様相は一転してきます。
前半では今時の若者たちが仕事を頑張りながら恋に落ちていく様子が描かれていたのが、後半では仕事の様子はほとんど出て来ず。
「え、仕事は? 恋にうつつを抜かしてないで、もうちょっと働いて」と思ってしまったりもしてしまったのですが…。

結婚して以降、映画は彼らの“仕事”ではなく“生活”を中心に描かれるようになります。
上野樹里演じる真緒は、体調不良になり、ほぼ家でゴロゴロしているようになるのです。
この真緒、もともとどことなく不思議なキャラクターではあるのですが、実はここに大きな秘密が隠されています。

この秘密は松本潤演じる浩介にも隠されているわけですが、だんだんと浩介はその秘密の真相に気付いていくのです。
それとともに、二人の関係、というか人生は、は大きく変化していきます。。。

物語の前半に、たまに「ん?」と思うような点がいくつかあるのですが、それらはすべて伏線となって、映画の後半に効いてきます。
その伏線の効かせ方、三木孝浩監督の手腕を感じさせました。

それにしても、この二人の恋物語、かなりファンタジック。
このファンタジックな設定を受け入れられるか受け入れられないかで、この映画の評価は変わってくることでしょう。

でも、陽だまりの中で恋を育てていく二人の姿は、純粋な恋心を思い出させてくれるよう。
松潤&上野樹里ファンの若い女性はもちろん、大人もしみじみさせてくれる、やさしい一作だと思います。

『陽だまりの彼女』(129分/日本/2013年)
公開:2013年10月12日
配給:東宝=アスミック・エース
劇場:全国にて
原作:越谷オサム
監督:三木孝浩
出演:松本潤上野樹里玉山鉄二大倉孝二谷村美月菅田将暉小籔千豊西田尚美とよた真帆木内みどり塩見三省夏木マリ北村匠海葵わかな
公式HP:http://www.hidamari-movie.com

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