【映画レビュー】進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド
私、前編の『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』には、割と肯定的だったんです。
あの結末の出てない人気マンガを、映画版として登場させるためには、よくアレンジしてあるなあと。
巨人が人を食う、怪獣映画としてよくできているなあと。。。
でも、ちょっとこの『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』は、辛かった。
なんというか、ストーリーも原作とはまったく別物なうえに、どこかで見たことのある話の継ぎ合わせだし、演出は陳腐だし、巨人は着ぐるみ感満載だし。。。
なんというか、センスがね…。
20年前ならなんとか通用したのかもしれないなとか、子ども相手の特撮映画としてみるならまだ許せるのかもしれないとか、そんな風に思いながら見ていました。。。
<STORY>
巨人になったエレンは、周囲の巨人たちを駆逐した後、再び人間に戻る。クバル団長の命令で殺されそうになったエレンを守ろうとし、ソウダは殺されてしまう。そこに知性を持った新たな巨人が現れ、エレンを連れ去った。再びエレンが目を覚ました時、そこにはシキシマがいた。シキシマはそこで、なぜ巨人が生まれたのか、巨人とはなんなのか、世界の秘密をエレンに告げる。その頃、ミカサ、アルミンら新兵たちは兵団から離脱しエレンを探そうとしていた。
<解説>
諫山創の原作を映画化した樋口真嗣監督による二部作の後編にあたる本作。
前作は人喰い巨人たちが街を徘徊する、“特撮怪獣映画”として楽しめました。
ただ、本作は、“特撮感”、“人喰い感”はかなり減少。
“巨人とは何か?”
“今の世界は誰が作ったものなのか?”
という、“世界の謎”への答えの提示が中心となります。
ただ、この答えが、あまりにも語り尽くされた内容で、映像もどこかの映画で何年も前に観たような陳腐なものばかり。。。
しかも、ウリであるはずの巨人の造形も、着ぐるみ感が強くなり、迫力はあまり感じられませんでした。
なんかこう、ウルトラマンVS怪獣の戦いを見せられている感じでね。。。
前作では長谷川博己と石原さとみの演技の飛ばし具合が演じていてとても楽しそうに見えたのですが、後編ともなるとワンパターンで飽きがきます。
なんというか、全体的に子ども向けの作品という雰囲気が否めないのです。
本当に子ども向けに作った作品であっても、テーマに普遍的なものがあれば「子ども向けだけど大人も楽しめる」と評価されると思います。
しかし、この作品は、子ども向けのテーマなのに大人を対象に作っているという感じで、大人も子どもも誰も満足できないような作品に仕上がっていると思います。
さすがに、2015年の現代は、大人も子どもも目が肥えています。
私が子どもの頃に見ていた“特撮映画”はそれはそれでとても面白かったですが、いつまでも“何十年も同じ”特撮の映像では満足できません。
特撮映画の発展系として映画ファンを大興奮させてくれた『パシフィック・リム』のような映画だって既にアメリカで作られているわけで、そりゃあ製作費も少ない日本の特撮映画よりは、製作費も多く最新技術を惜しみなく使ったハリウッド映画の方が、観客を楽しませるエンターテインメントとしてよくできていると言われても仕方ないでしょう。
「最新エンターテインメントを観に行ったつもりが、蓋を開けてみたら伝統芸能だった」というミスマッチは、観客にとっても作品にとっても、不幸としか言いようがありません。
【関連作レビュー】
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN:http://c-movie.jp/review/attack-on-titan/
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』(98分/日本/2015年)
公開:2015年09月19日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作:諫山創
監督:樋口真嗣
脚本:渡辺雄介/町山智浩
キャラクターデザイン:貞本義行/竹谷隆之/田島光二
特撮監督:尾上克郎
特殊造形プロデューサー:西村喜廣
音楽:鷺巣詩郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「SOS」
出演:三浦春馬/長谷川博己/水原希子/本郷奏多/三浦貴大/桜庭ななみ/松尾諭/石原さとみ/ピエール瀧/國村隼/草彅剛/緒川たまき
Official Website:http://www.shingeki-seyo.com/
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