【本】ハサミを持って突っ走る / オーガステン・バロウズ

ハサミを持って突っ走る

2006年にライアン・マーフィー監督、ジョセフ・クロス主演で映画化された、作家オーガステン・バロウズの自伝的小説「ハサミを持って突っ走る」を読みました。
(映画は未見です。日本ではDVDストレートのようですね)

精神的に不安定な母親のもとに生まれ、学校にもなじめず、風変わりな精神科医のもとで暮らすこととなった12歳の少年の物語。
いわゆる“普通”の環境ではなく、自由に感情を解放することを教えられて育った少年が、どう成長するのか、なかなか興味深い作品でした。

<STORY>
大学教授だけれどアル中の父親と、詩人だけれど精神病の母親の間に生まれたオーガステン。両親の離婚後、母親に引き取られるも、母親の病気が悪化し、母親の主治医である精神科医のフィンチに引き取られることとなる。ボロ家のフィンチ家には、フィンチの妻・アグネスや娘のホープ、ナタリーなど、変わった人びとが暮らしていた。オーガステンはそんな家族の中で、フィンチ家の養子・ニールとの同性愛など、様々なことを体験していく。

<感想>
この作品の主人公、オーガステンは崩壊家庭に生まれた少年。
学校にも行っていません。

母親の病気により預けられたフィンチ家で、信頼できる姉代わり・ホープや親友・ナタリーと出会い、初めて他人と濃密な関わりを結ぶようになります。

そこで出会ったのが、フィンチ家の養子である30代の青年ニール・ブックマン。
ゲイを公言している彼に「自分もゲイだと思う」と打ち明け、12歳で彼と肉体関係を結ぶこととなります。
最初はニールを嫌悪したものの、だんだんとニールに惹かれていき、恋愛関係になりながらも、彼を見下し支配するようになるオーガステン。
彼の行動をみていると、初めてのセックスが感情に影響を及ぼし、その感情を恋だと勘違いしていく様子がよくわかります。
そして、その感情が、彼らを共依存の関係に陥らせていくのです。
愛しながらも憎み、蔑みながらも求めてしまう気持ちをここまで素直に表している小説は、なかなか珍しい気がします。

しかし、学校にも行かず、世間的な“普通”という概念を知らずに育った少年が、作家としてここまで成功できるというのは、やはり彼が母親から受け継いだ文学的才能のせいでしょうか。
自らが思うままに行動することを許されるというのは、その人が才能を持ってさえいれば、大きな可能性を与えるものなのでしょうね。。。

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