【映画レビュー】モネ・ゲーム / Gambit
“堅物で気難しい英国男”というイメージのコリン・ファースと、“陽気なアメリカン・ガール”というイメージのキャメロン・ディアス。
そんな正反対のイメージを持つ二人の俳優が共演した映画『モネ・ゲーム』。
冒頭はカリカチュアされた昔風のアニメから始まるのですが、そのオープニングからそこはかとなくユーモラスで、キュート。
昔懐かしいイメージの、オトナのコメディ映画です。
<STORY>
モネの連作“積みわら 夕暮れ”を探しているロンドンのメディア王・シャバンダー。彼に雇われている美術鑑定士のハリー・ディーンはシャバンダーの横暴さに耐えかね、彼を美術品詐欺にかけることを思いつく。シャバンダーを騙し、“積みわら 夕暮れ”の贋作を売り付けようとしていたのだ。ハリーの仲間は、贋作作成が趣味のネルソン少佐と、テキサスからやって来たカウガール、PJ・プズナウスキー。しかし、シャバンダーがPJに興味を持ち始め…。
<解説>
1966年のコメディ『泥棒貴族』を下敷きに、コーエン兄弟が脚本を練り直し、マイケル・ホフマンが監督を務めた映画『モネ・ゲーム』。
本作は、印象派の巨匠クロード・モネの贋作をめぐる、コン・ムービーです。
コリン・ファース演じる英国の美術鑑定士・ハリーが、アラン・リックマン演じるイヤミなメディア王・シャバンダーを騙し、行方不明になっていたモネの連作“積みわら 夕暮れ”の贋作を売りつけようとします。
そのためにアメリカからわざわざ呼ばれたのが、キャメロン・ディアス演じるテキサス生まれテキサス育ちのカウガール、PJ・プズナウスキー。
彼女は“積みわら 夕暮れ”を最後に目撃したアメリカ軍人・プズナウスキー軍曹の孫娘。
ハリーは、“積みわら 夕暮れ”が行方不明になっていたのは、プズナウスキー軍曹が密かに隠し持っていたからだ…という筋書きを作り、現在では存在も不明な“積みわら 夕暮れ”を売りつけようとするのです。
しかし、その詐欺の片棒を担ぐはずのPJは、英国男・ハリーの予想もつかない行動ばかりとり、計画はなかなかうまくいきません。
しかも、シャバンダーがPJを口説き始め、計画はますますぐちゃぐちゃになっていくのです。
コリン・ファースは、真面目だけれど間の抜けた男・ハリーを好演。
パンツ姿で高級ホテルをウロウロしたり、『英国王のスピーチ』の時とはまったく違う、ユーモラスな一面を見せてくれます。
シャバンダーを演じるアラン・リックマンも、スネイプ先生とはまた違うイヤミさを発揮。バックヌードも披露して、なかなか素敵です。
他にも、トム・コートネイ、スタンリー・トゥッチといった名優たちが、クセモノなキャラクターを演じていて、観ていてなんとも楽しいのです。
コーエン兄弟の手がけた遊びのある世界を、個性派俳優たちが自由自在に楽しんでいる雰囲気が伝わってきて、観客も安心して楽しむことができます。
大きなハラハラドキドキはないけれど、その世界観をゆったりと楽しめる、古き良き香りのする、オトナのためのコメディ・ムービーだと思います。
別コラム:オトコに見せたいこの映画『モネ・ゲーム』
『モネ・ゲーム』(90分/アメリカ/2012年)
原題:Gambit
公開:2013年5月17日
配給:ギャガ
製作国:TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて
監督:マイケル・ホフマン
脚本:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン
出演:コリン・ファース/キャメロン・ディアス/アラン・リックマン/トム・コートネイ/スタンリー・トゥッチ/クロリス・リーチマン
公式HP:http://monetgame.gaga.ne.jp/
ギャガ (2019-05-10T00:00:01Z)
¥1,254 (中古品)
売り上げランキング: 10,057