俺俺

2013/4/20 日本映画あ行, 映画レビュー

KAT-TUNの亀梨和也が増殖しまくり！
サラリーマン風、チャラ系大学生風、ヤクザ風、オタク風、巨乳…と、様々な33種類の亀梨和也が見られる映画『俺俺』。

不条理な「世にも奇妙な物語」風の世界を、コミカルに独特なテンポで描いた、不思議が増殖していく作品です。

＜STORY＞
家電量販店で店員をしている永野均は、ハンバーガーショップで隣り合わせた男性の携帯電話を持ち帰ってしまう。均は、その電話にかかってきた携帯電話の持ち主の母親相手にオレオレ詐欺をしてしまった。その日、家に帰ると知らない女性が母親だと言って家にやって来た。不思議に思い実家に帰ると、母親からは追い返され、自分そっくりの男がいる。その男は“大樹”という別の“俺”だったのだ。そして“ナオ”という別の自分も現れて…。

＜Cheeseの解説＞
ドラマ「時効警察」、映画『転々』などで知られる三木聡監督作。
独特なムードとテンポで、ハマる人にはハマりそうだけれども、好き嫌いも別れそうな一作です。

同じような部屋が並ぶ団地、増殖していくモルモット、増殖していく“俺”…。
でも、みんな同じような存在でありながら違う部分もあり、同じ“俺”の中にも好きな“俺”もいれば嫌いな“俺”も、許せない“俺”もいる。
そんな矛盾や難しい三木ワールドを、亀梨和也が“カッコいいKAT-TUNの亀梨和也”とはまた違う、“俳優・亀梨和也”としてちょいダサめに演じています。

加瀬亮や舞台を中心に活動している個性派俳優たちのハジけた演技も、見どころの一つ。
彼らのはっちゃけた演技があるからこそ、亀梨和也演じる永野均の没個性が際立っているのです。

個人的にちょっと気になったのは、合成がかなり不自然に思える点がいくつかあるところ。
現代の技術であれば、あの辺はもっときれいに見せられるだろうに…、あえて不自然なまま残してあるのでしょうか？

『俺俺』（119分／日本／2013年）
英題：It’s me,It’s me
公開：2013年5月25日
配給：ジェイ・ストーム
劇場：新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて
原作：星野智幸
監督・脚本：三木聡
アクション：吉田浩之
出演：亀梨和也／内田有紀／加瀬亮／中谷竜／小林きな子／渋川清彦／少路勇介／岡野真也／町田マリー／ふせえり／岩松了／森下能幸／佐津川愛美／松重豊／松尾スズキ／キムラ緑子／高橋惠子
公式HP：http://ore-ore.jp/