【映画レビュー】オーシャンズ / Oceans
『WATARIDORI』などのネイチュア・ドキュメンタリーで知られるジャック・ペラン監督が海の生き物たちの生態を描いたドキュメンタリー『オーシャンズ』。
たくさんの海の生き物たちが、不思議だったり、美しかったり、不気味だったりするその姿を見せてくれています。
本当に海の中にはいろいろな生き物がいるなぁ…。
<STORY>
地球の表面の70%を覆う、巨大な海。これまでドキュメンタリー映画を手がけてきたジャック・ペラン監督が、約70億円の製作費をかけて、海に生きる様々な生き物の生態を映し出した。海中を優雅に泳ぐウミイグアナや、波打ち際で戯れるアシカ、渦を巻きながら大群で移動するイワシ、王者のように泳ぐジンベイザメ、従者のようなコバンザメ、ワラワラと集合し5万匹で交尾するクモガニなど、多種多様な生き物たちの姿が楽しめる。
<解説>
この映画『オーシャンズ』の中には、様々な海の生き物が登場します。
クジラやイルカ、ジンベイザメなどの大型の生き物から、イワシ、タコ、イカなどの人間にとって身近な生き物、ホッキョクグマや皇帝ペンギン、アザラシやオットセイなどまで。
普段見ることができない海、そして海の生きものたちの模様を、何台もの特別に開発された高性能カメラを使用し、素晴らしい映像をとらえているのです。
なかでも圧巻だったのは、イワシの群れと、そのイワシ魚群を追うイルカの群れ、イワシ魚群を襲う海鳥たちの映像。
この映像を、空からと、海中から、両方でとらえています。
イワシ魚群を猛スピードで追うイルカのジャンプ姿の美しいこと。
空から海へ、戦闘機のようにつっこんでいく海鳥たちの迫力。
空から突っ込んでくる海鳥を海中からとらえた映像は、まるでブルーインパルスなどの空中ショーを観ているかのようです。
自然界で毎日どこかで行われているこういったショーは、生存のための殺戮でもあります。
その殺戮の様子が、人間の目から見るとショーのように美しく、誰かが遠くから指令を出しているかのように、統率がとれたものに見えるのは、不思議なものです。
『オーシャンズ』の中で観られる映像は、すべて“弱肉強食”という自然の摂理に裏打ちされたものなのです。
映画の前半は自然の生き物たちの生態をそのまま映し出したドキュメンタリーですが、後半は自然保護への製作者側のメッセージがかなり強いものとなっています。
フカヒレを採取するため(?)にヒレや尻尾などを切り取ったまま海に戻され、うまく泳げずに沈んでいくサメの映像があるのですが、この映像は本当の映像ではなく、映画撮影用のサメの人形のようなものを使った映像だそう。
さらに、底引き網漁のような漁の模様を海中から映している映像があるのですが、その作業をしているのが、アジア人なのです。なんとなく日本人にも見える。。。
それというのも、この作品は、あのシーシェパードがスポンサードしているそうです。
なるほど。。。
私は日本語吹き替え版でこの作品を観たのですが、原語だとどのようなナレーションが入っているのかが興味深いところです。
『オーシャンズ』(103分/フランス/2009年)
原題:Oceans
公開:2010年1月22日
配給:ギャガ
劇場:TOHOシネマズ日劇ほか全国にて
監督:ジャック・ペラン/ジャック・クルーゾー
ナビゲーター:宮沢りえ
公式HP:http://oceans.gaga.ne.jp/
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