【映画レビュー】ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 / Män som hatar kvinnor
スウェーデンで大ヒットを記録した映画「ミレニアム」三部作の第一部『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』。
9月11日からに映画の第二部『ミレニアム2 火と戯れる女』、第三部『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』が公開されるということで、観そびれていた第一部をDVDで鑑賞しました。
孤島で36年前に起こった殺人事件の謎に、人気雑誌記者・ミカエルと天才ハッカー・リスベットが挑む物語。
身長154センチ、体重42キロという小柄な体格の女性ながら、背中や首筋にタトゥーを入れ、ブラックレザーに全身を包む、エキセントリックなビジュアルのリスベットが、なかなかクールです。
<STORY>
雑誌「ミレニアム」の編集責任者でトップ記者のミカエルは、ある企業のスキャンダルを取り上げたことにより、名誉棄損で敗訴。半年後に刑務所に収監されることとなる。そんなミカエルの所に、実業家のヘンリック・ヴァンゲルが、40年前に謎の失踪を遂げた姪のハリエットを探してほしいと依頼してくる。依頼を受けたミカエルは、その事件の起こった孤島へ赴いた。そして、ミカエルは自分に事件解決のヒントを送って来た天才ハッカー・リスベットと共に、調査を開始する…。
<解説>
この作品は、スウェーデンのスティーグ・ラーソンという作家のベストセラー小説を映画化したもの。
スティーグ・ラーソンは「ミレニアム」三部作を書いた後、この小説・及び映画の大ヒットを目にすることなく、心臓発作で急死したそう。
この小説が出版されたのは、彼の死後だったそうです。
そんな逸話も、この作品を彩るにふさわしいように思えるから、不思議なものです。
この映画『ミレミアム ドラゴン・タトゥーの女』は、どこかダークで、陰鬱な雰囲気もある作品なのです。
さて、この作品、何と言っても主人公たちが魅力的。
ミカエルは、まあ、ただのオジさんという感じでもあるのですが、なんだか女性にほっておかれないタイプのようで、やたらとモテている気が。
真面目でどこか少年っぽいところが母性本能をくすぐるのでしょうか。
北欧ではあんなタイプがモテるのかな?
そして、ベリーショートヘアーに鼻ピアス、タトゥーの入ったボディーにブラックレザーの上下でキメた、でも身長154センチという、子どものような体のリスベット。
エキセントリックな外見ながらも、口数少なく、人嫌い。
でも、天才的な記憶力や、画像認識能力を持っていて、ハッカーとしての腕も超一流。
なぜかミカエルにだけはなついている、なんだか猫のような女の子です。
そんなミカエルとリスベットの二人が、スウェーデンの孤島で40年前に起こった事件の謎に挑みます。
名門一族ヴァンゲル家が住むその孤島で、ヴァンゲル家の人々の様々な秘密を暴いていくのです。
その、閉ざされた島の中で、血縁のある人々の、濃密な人間関係が引き起こした事件は、なんとも恐ろしいもの。
けっして派手なストーリーではないですが、何故か引き込まれるストーリーです。
実は、スウェーデン語の原題は「女を憎む男」という意味だそう。
その意味通り、「女を憎む男」が物語のカギを握っています。
リスベットにも「女を憎む男」にまつわる古い記憶があり…。
第一部では、断片的にしか明かされていませんが、その記憶が、第二部・第三部では物語の重要なテーマにもなっているようです。
ミカエル&リスベットのコンビが、次にどんな事件に巻き込まれるのか…、リスベットの過去はどこまで明かされるのか…。
第二部・第三部も楽しみです。
原作小説も気になるな…。
【関連作レビュー】
■映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(スウェーデン版):http://c-movie.jp/review/millennium/
■映画『ミレニアム2 火と戯れる女』(スウェーデン版):http://c-movie.jp/review/the-girl-who-played-with-fire/
■映画『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』(スウェーデン版):http://c-movie.jp/review/the-girl-who-kicked-the-hornets-nest/
■映画『ドラゴン・タトゥーの女』(ハリウッド版):http://c-movie.jp/review/the-girl-with-the-dragon-tattoo/
◆【本】ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 / スティーグ・ラーソン:http://c-movie.jp/book/man-som-hatar-kvinnor/
◆【本】ミレニアム2 火と戯れる女 / スティーグ・ラーソン:http://c-movie.jp/book/flickan-som-lekte-med-elden/
◆【本】ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 / スティーグ・ラーソン:http://c-movie.jp/book/luftslottet-som-sprangdes/
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(153分/スウェーデン/2009年)
原題:Män som hatar kvinnor
英題:THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO / MILLENNIUM: PART 1 – MEN WHO HATE WOMEN
公開:2010年1月16日
配給:ギャガ
劇場:シネマライズほか全国にて順次公開
原作:スティーグ・ラーソン
監督:ニールス・アルデン・オプレウ
出演:ミカエル・ニクヴィスト/ノオミ・ラパス/スヴェン・バーティル・タウベ/ペーテル・ハベル/マリカ・ラーゲルクランツ
公式HP:http://millennium.gaga.ne.jp/
パラディソ (2010-06-04T00:00:01Z)
¥2,102
早川書房
売り上げランキング: 3543
早川書房
売り上げランキング: 9786
売り上げランキング: 4749
売り上げランキング: 4564