【映画レビュー】ジョン・ウィック ／ John Wick

最近は、“ぼっち”とか、“奇行”のイメージが強いキアヌ・リーブス。
しかし、この『ジョン・ウィック』で、見事な、あまりに見事すぎる復活を見せてくれます。

なんかもう、笑っちゃうくらい素晴らしいアクション“ガン・フー”を見せてくれます。

いやもう、最初はポンコツなようで実はキレッキレなキアヌ、本当に素晴らしい！

いっぺん沈んだように見せつつも、何年かに一回、こういうアイコン的な役柄で復活してくるから、キアヌ・リーブスってやっぱりすごい。
続編製作も決定したというこの『ジョン・ウィック』、本当に見逃せない新たなるアクション・シリーズの登場です。

この映画の主人公、ジョン・ウィックは、引退した“殺し屋の殺し屋”。
かつて、ロシアン・マフィアのボス、ヴィゴの下で、不要になった殺し屋を消す仕事をしていたジョン・ウィックは、愛する妻・ヘレンと出会って殺し屋を引退します。
しかし、ヘレンの死後、彼女がジョンの為に遺した愛犬・デイジーを殺され、キレて殺し屋に復活することになるのです。

この、復活してからのキアヌのキレキレぶり、もう最高です。
ガン＋カンフーの動きを取り入れた“ガン・フー”というスタイルで、流れるようなガンアクションを見せてくれます。

キアヌ演じるジョン・ウィックが戦うのは、かつての雇い主のロシアン・マフィア、ヴィゴ・タラソフ。
ジョンの恐ろしさを誰よりも知っているヴィゴは、息子のヨセフがジョンを怒らせたことを知り、バカ息子を叱りつけ、ジョンに殺し屋を差し向けます。
その行為がさらなる怒りに火をつけ、お互いに全力で殺しあうことになるのです…。

実は、本作『ジョン・ウィック』の監督であるチャド・スタエルスキは、多くのアクション映画にアクション／スタントコーディネーターとして参加している人物。
「マトリックス」シリーズでもキアヌのスタント・ダブルを務めているだけあり、キアヌとの信頼関係もできあがっているということでしょう。

また、この映画で最高なのは、裏社会に生きる者たちが利用するホテルがある、という設定。
この“ホテル・コンチネンタル”は、殺し屋たちの定宿で、地下には殺し屋たちが情報交換に利用するバーがあります。
そこでは独自の通貨で取引を行われており、マネージャーのシャロンは客の好みやスタイルを完全に把握し、的確なサービスを提供してくれます。
もちろん医者や掃除屋もいて、仕事中に負った怪我やボディの後処理もしてくれます。
しかし、便利な反面、ホテルには厳しいルールがあり、そのルールを破った者には厳しい制裁が加えられるのです。

この“ホテル・コンチネンタル”の存在が、ジョン・ウィックの孤高の世界に、ちょっとした安らぎを与えていると言えるでしょう。
また、このホテルは世界各国に存在するそうで、このホテルに宿泊する様々な宿泊者たちを描くだけで、かなり面白いシリーズものになりそう。

この奇妙な世界観や、アクションの素晴らしさ、これはもう、ぜひその目で確かめていただきたいところ。
そして、見事なジョン・ウィック、そしてキアヌ・リーブスの復活を実感して欲しいところです。

なんだかんだで、キアヌはやっぱりアクション・スターなんだなー。