【映画レビュー】ヒロイン失格

幼なじみの寺坂利太のことが大好きな松崎はとりは、小学校の頃から10年間、彼にまとわりついている。しかし、利太は六角精児似の真面目女子、安達未帆と付き合い始めてしまう。自分が利太の自分がヒロインではないと気づいたはとりは、邪道ヒロインでもいい、なんとか利太を取り返そうと画策。そんなはとりに、学校一のモテ男、弘光廣祐がちょっかいを出してくる。はとりは彼にファーストキスを奪われ、なぜか利太と足立のカップルとダブルデートすることに…。

『高校デビュー』の英勉監督が手がけた本作。
『高校デビュー』もそうでしたけど、この監督の作品で、とにかくヒロインがはっちゃけるというか、登場人物のテンションがとにかく高いイメージがあります。

本作『ヒロイン失格』もそう。
“邪道ヒロイン”を名乗る本作の主人公・はとり、とにかくテンション高く一人芝居や変顔をかましまくります。

はとりを演じる桐谷美玲も、これまでの殻を打ち破る勢いで、とにかく体当たり演技。
「頑張ってるなあ…」と、思わず思ってしまいました。

このはとり、山崎賢人演じる幼なじみの寺坂利太のことを大好きな女の子。
利太への想いは他人から見ても丸わかりですが、告白はしていない状態です。
利太は利太で、はとりの想いを知りつつも、我妻三輪子演じるところのクラスの真面目女子・安達未帆と付き合い始めてしまうのです。
そんなはとりに、坂口健太郎演じるところの学校一のモテ男・弘光廣祐がちょっかいを出してくる…という、まあ、好きな人には好かれず、好きじゃない人からは告白される、というすれ違い系学園ラブコメ物語な本作。

物語前半は、とにかくラブコメというか、テンションの高いはとりが一人で利太を想って大奮闘する、ドタバタギャグ満載になっています。
だけれど、後半からは突然、キュンキュンの初恋ラブストーリーに変化。
「これが同じ映画なの？」と思えるくらい、映画のカラーが激変しています。

個人的には、前半はちょっと苦手なノリというか、かなり辛かったのですが、後半は割と楽しく観ることができました。
まあ、山崎賢人も坂口健太郎も、それぞれに捨てがたいイケメンなので、見ているだけでとりあえず目の保養になるという部分はあるのですが。

でも、ちょっと気になる点がいくつか。
もっとも気になった部分は、劇中の時間経過と映像があっていないこと。

劇中で、はとりと利太は、夏休みの最終日のお祭りで浴衣デートをするのです。
そして翌日から学校へ行くわけですが、なぜか制服は冬服。
そして、その一週間後くらいには、なぜかマフラーをしていたりするのです。

「気づかないうちに寝ちゃって、時間がワープしたのか？」
「シナリオ的にはもっといろいろあったのだけど、最終的にカットして、結果こうなっちゃったのか？」
と、見ながら頭が混乱してしまいました。
まあ、冬の撮影で、俳優さんたちも大変だったらしいのですが、そういう細部の演出も大事にして欲しいと思ってしまいますね。。。