【映画レビュー】Zアイランド
足の速いゾンビにゆっくりしか歩けないゾンビ、
日本刀を持ったヤクザに超強くて動けるミニスカJK、
血まみれナースに笑いながら人を殺せる狂人…。
ああ、こういうキャラクターどこかの映画で見たことあるなあ、監督、こういう映画撮ってみたかったんだろうなあ、面白がっていろいろ盛り込んでるんだろうなあ…。
と、誰もが思ってしまうであろう映画『Zアイランド』。
まさに、映画好きな男の子が、映画に力を入れようとしている大きな後ろ盾と資金を得て、楽しくいろいろ暴れちゃった、そんな感じの映画です。
でも、ゾンビ映画ってもうある程度アイデアが出尽くしちゃっていますよね。。。
面白いは面白いんだけど、もう少し新たなアイデアがないと、観客的にはどうしても既視感を覚えてしまうかも。
<STORY>
敵対する竹下組に襲撃され、多くの部下を殺されたヤクザの宗形は、怪我をしながらなんとか生き延びる。10年後、宗形は服役している弟分の武史の娘・日向の世話をしていたのだが、武史の出所の日の、日向が銭荷島という島へ家出してしまう。宗形と武史らは日向を追って銭荷島へ向かう。その頃、竹下組のチンピラ・吉田が銭荷島でクスリを売りさばこうとしていたが、オーバードーズで死んでしまう。しかし、奇妙な病気に感染していた吉田は突如蘇り、生者を襲い始める…。
<解説>
哀川翔の芸能生活30周年記念作品となるこの作品。
哀川翔は、敵対するヤクザ、竹下組の反町に襲われて部下のほとんどを殺された元ヤクザ・宗形博也を演じています。
その宗形の部下が、RED RICE演じる信也と、鶴見辰吾演じる武史。
宗形は、復讐のため敵のヤクザを襲って刑務所に入っていた武史の娘・日向(山本舞香)を出所まで預かっていたのですが、武史が出所した日、日向は銭荷島という島へ家出してしまいます。
そこで、宗形、信也、武史、そして武史の元妻で日和の海の母・桜(鈴木砂羽)とともに、銭荷島へ日向を迎えにいくことに。
しかし、銭荷島には宗形と因縁のあるヤクザ・竹下組の若い衆・あきら(宮川大輔)が組のドラッグを盗んで逃げてきていました。
おりしも、妙な病気が流行っていた銭荷島で、独自の調合を加えたドラッグをオーバードーズしたあきらは死んでしまうのですが、蘇り、ゾンビに。
そして、銭荷島の中で、ゾンビは次々に増殖していくのです。。。
さらに、竹下組のドラッグを持ち逃げしたあきらを、追ってきているヤクザ・反町がいました。
反町は、かつて宗形の組を襲い解散に追い込んだ因縁の相手。
かくして、過去の因縁を持つ男たちと、その仲間と家族、そして生ける屍・ゾンビがひとつの島で出会うことに…。
品川ヒロシ監督の映画『Zアイランド』、元ヤクザがゾンビと戦いながら、因縁の敵とも決着をつけることになる物語。
日本刀、拳銃、猟銃、斧など、様々な武器を手に、絶体絶命の中で死闘が繰り広げられます。
もう、いろんな映画で観たようなカッコいいアクションシーンがテンコ盛り。
ノレる人はノレるのでしょうが、ノレない人は、
「ああ、監督、あの2丁の斧のアクションやってみたかったんだろうな…、日本刀も使いたいよね…、狂気のヤクザもカッコいいよね…」と、つい思ってしまうかも。
要は、観客を喜ばせようとする姿勢より、自分が楽しんじゃっている姿勢の方が目立っている気がするのです。
あと、これは個人的な感想ですが、前作『サンブンノイチ』もそうでしたが、映画の中でも「オレすごい映画好きで、映画観てるから」とアピールするセリフがあるんですが、そういう人ってものすごくいるので、あえてそういうセリフを入れるのは、ちょっとカッコ悪い気がします。
多分、監督の周りにいるスタッフさんとか、他の映画監督さんも映画が大好きで映画をすごく観ている人ばっかりなんだから、あえてアピールする必要はないんじゃないのかな。。。
品川ヒロシ監督作、テンポもいいし、役者も楽しそうだし、まあ面白いんですけどね。
でも、品川ヒロシ監督、自分が楽しもうという姿勢より、自分は苦しんでも観客を喜ばせようという姿勢の方が大きくなった時、すごくいい監督になりそうな気がします。
『Zアイランド』(109分/日本/2015年)
公開:2015年5月16日
配給:KADOKAWA、吉本興業
劇場:全国にて
監督・脚本:品川ヒロシ
主題歌:湘南乃風
出演:哀川翔/鈴木砂羽/鶴見辰吾/木村祐一/宮川大輔/RED RICE/大悟/川島邦裕/山本舞香/水野絵梨奈/般若/篠原ゆき子/シシド・カフカ/風間俊介/窪塚洋介/中野英雄
Official Website:http://www.z-island.jp/
売り上げランキング: 5,447
トイズファクトリー (2015-05-27)
売り上げランキング: 40
売り上げランキング: 55,434
売り上げランキング: 23,857