ローラーガールズ・ダイアリー / Whip It
ドリュー・バリモアの初監督作品『ローラーガールズ・ダイアリー』は、闘うガールズの物語。
ライバルやどうしようもない男、そしてわからずやの母と闘って、女の子は大人になるのです。
ガール、そして元ガールならきっと共感できる、ちょっと元気がでそうなキュートな映画でした。
<STORY>
「美少女コンテストの優勝が幸せになる一番の道」と信じる母親に付き合って美少女コンテストに出場しているブリス。テキサス州の小さな町での生活に飽き飽きしている彼女は、地方都市で出会ったローラーゲームに夢中になる。オーディションに合格した彼女は、両親を騙してローラーゲームのメンバー“ベイブ・ルースレス(非情なベイブ)”として活動を始めた。試合後のパーティでバンドマンのオリヴァーと出会った彼女は、だんだんと恋に落ちる…。
<解説>
ドリュー・バリモアと言えば、俳優一家のバリモア一族に生まれたハリウッドのサラブレッド。
売れない女優であるジェイド、ジョン・バリモアの息子の売れない俳優、ジョン・ドリュー・バリモアの子どもとして誕生します。
0歳の時から赤ちゃんモデルとしてデビューし、歳でスティーヴン・スピルバーグ監督の『E.T.』に出演。名子役として人気を博します。
こう聞くと、恵まれた出自のように感じますが、自伝の「ハリウッド・エンジェル」によると、実の父親のジョン・ドリュー・バリモアはアルコール中毒。
基本的に1度も父親と同居をしたことはなく、たまにあっても母親に暴力を振るったりお金を巻き上げたりする姿しかみたことがなかったそうです。
『E.T.』で一気に人気子役となったドリューにはオファーが殺到し、女優だった母親は、自分のキャリアを諦め、ドリューのマネジメントに専念することとなります。
しかし、ドリューはそんな母親に反発。
10代にならないうちから母親の目を盗んでアルコールを飲むようになり、ドラッグにもはまり、やがてリハビリ施設に入るようになるのです。
しかし、リハビリ施設を出た後に、紆余曲折を経て、見事復活。
以前はコンプレックスだったぽっちゃりボディと豪快なガハハ笑い、満面の笑顔と言う自らの持ち味を活かして、キュートなアネゴキャラで、再び人気を博します。
女優としての地位も確立し、自らのプロダクションを設立してプロデューサーとしても活躍しているのです。
この『ローラーガールズ・ダイアリー』は、そんなドリュー・バリモアの初監督作品。
近過ぎる母と娘の関係に苦しみ、自分の本当の姿と“名子役”として自分を見る世間の目とのギャップに苦しみ、一度は泥にまみれたドリュー・バリモアだかららこそ描けた、夢見るガールズへの応援歌となっています。
母への反発、両親への秘密、初恋、初体験、親友とのケンカ、ダメ男の裏切り、別れ、両親との和解…などなど、年頃の少女が経験するアレコレを、愛情こもった目線で描いているのです。
そして、ドリューの愛は17歳のブリスだけではなく、36歳のローラーガールやシングルマザーたちにも注がれています。
それぞれに年齢を重ね、経験を積んで、自分らしく生きて行こうとしているオーバー30のローラーガールズにも、エールを送っているのです。
ブリスのライバルで36歳のローラーガール、アイアン・メイビン(鋼鉄のメイビン)。
なかなか怖いお姉さんなのですが、彼女を演じているのはジュリエット・ルイス。
最近はミュージシャンとしての活動の方が目立つ彼女ですが、本作では「17歳のコムスメなんかに負けないわ!」と凄みをきかせています。
Cheeseの大好きな女優さんのひとりである彼女が、若くて可愛いエレン・ペイジには負けない存在感を見せているのをみて、とってもうれしくなりました!
『ローラーガールズ・ダイアリー』(112分/アメリカ/2009年)
原題:WHIP IT
公開:2010年5月22日
配給:ギャガ
劇場:TOHOシネマズシャンテほか全国にて順次公開
製作・監督・出演:ドリュー・バリモア
出演:エレン・ペイジ/マーシャ・ゲイ・ハーデン/クリステン・ウィグ/ジュリエット・ルイス/ジミー・ファロン/ダニエル・スターン/ゾーイ・ベル
公式HP:http://roller-girls.gaga.ne.jp/
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