【映画レビュー】カールじいさんの空飛ぶ家 / Up
ピクサーの最新作『カールじいさんの空飛ぶ家』は、2009年度カンヌ映画祭のオープニング作品に選ばれた作品。
(アニメ作品としては史上初!)
それも納得の大名作です。
美しい映像とユニークなキャラクターたちが織りなす素晴らしい物語。
映画でしか表現できない夢がたっぷりと詰まった、大人も子どもも楽しめるエンターテインメント作品です。
でも、子どもだけではなく、大人にこそ観て欲しいテーマも隠されています。
かわいらしく生クリームやフルーツでコーティングされた美味しいケーキの真ん中に、オトナこそが楽しめる上質なリキュールたっぷりのソースが入っているような…。
子どもも楽しめるけれど、大人こそがその真の魅力を理解できるような映画です。
<STORY>
冒険家チャールズ・F・マンツの映画を見て、冒険に憧れていたカール少年。彼は同じく冒険好きの少女エリーと出会い、“伝説の滝”パラダイス・フォールへの冒険の夢を語り合う。大人になり結婚した二人は、冒険資金を貯めながら仲良く暮らしていた。だが、その夢は果たせないままエリーが病に倒れ、先立ってしまう。78歳になっていたカールは、約束を果たすため、パラダイスフォールを目指し、風船をつけた家で大空へ飛び立った!
しかし、カールの大空の旅には思わぬ闖入者がいた…。ボーイスカウトの少年・ラッセルが偶然にもカールの家のポーチに潜んでいたのだ。気難しいカールじいさんと、おしゃべりなラッセル少年を乗せて、家はパラダイス・フォールのある高地に到着する。そこで二人は滝まで家をひっぱりながら歩いて行こうとするが、そこで不思議な鳥と出会う…。
<解説>
この物語はたくさんのことを教えてくれたように思います。
夫婦愛の美しさ、
夢を持ち続けることの素晴らしさ、
夢を決してあきらめない強さ。
物語の前半はカールとエリーの夫婦愛の美しさを中心に描かれます。
でも、この映画の真骨頂はパラダイス・フォールのある高地に辿り着いてから。
思わぬ珍客たちと出会い、夢のようなほのぼのしたストーリーから一転、緊迫感あふれるアクション映画に様変わりします。
そこでカールは、妄執を持ち続けることの浅ましさに気付くのです。
妄執を捨てた先にこそ、幸せな未来が待っていました。
でもその未来は、一度真剣に、全力で夢に挑んだカールじいさんだからこそ、手に入れることが出来たものなのかもしれません。
この映画、ストーリーも素晴らしいですが、映像も素晴らしいです。
下記の記事にあるように、カールじいさんの家は1万個の風船で空を飛んで行くのですね。
青空にゆらりと浮かび上がる家と、色とりどりの風船…、夢のような、美しい風景です。
映画「カールじいさんの空飛ぶ家」–1万個の風船を描いたシミュレーション技術:http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20394293,00.htm
もうひとつ、私がすごいと思ったのは、カールじいさんとラッセル少年の肌の質感。
だんだんと生えてくるカールじいさんのうっすらした髭や、薄い皮膚を通して内側から紅潮している、子どもらしいラッセル少年のすべすべほっぺ。
こんなすべすべ肌に戻りたい…と、思わず肌ばっかり見ちゃいました。。。
『カールじいさんの空飛ぶ家』(103分/アメリカ/2009年)
原題:UP
公開:2009年12月5日
配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
劇場:全国にて
監督:ピート・ドクター
脚本・共同監督: ボブ・ピーターソン
声の出演:エド・アズナー/クリストファー・プラマー/ジョーダン・ナガイ/エリザベス・ドクター/ジェレミー・レアリー
公式HP:http://www.disney.co.jp/movies/carl-gsan/
売り上げランキング: 172
竹書房
売り上げランキング: 52324
徳間書店
売り上げランキング: 129122
売り上げランキング: 2808
売り上げランキング: 7166
売り上げランキング: 464
売り上げランキング: 6067