【映画レビュー】ユニバーサル・ソルジャー：リジェネレーション／ Universal Soldier: Regeneration

2010/5/25 外国映画や行, 映画レビュー

50オーバーのジャン＝クロード・ヴァン・ダムとドルフ・ラングレンが、激しい肉弾戦を見せる映画『ユニバーサル・ソルジャー：リジェネレーション』。

不死身の肉体を持つ彼らが、「まだまだワシらも若いモンには負けん！」とばかりに戦い続けます。
その姿を観られるだけでも、価値アリかも。

＜STORY＞
ロシア大統領の息子と娘が、ハイテク兵士“NGU”（ネクスト・ジェネレーション・ユニバーサル・ソルジャー）に誘拐された。NGUを利用しているのは、チェチェン民族主義の過激派。チェルノブイリ原子力発電所を占拠し、仲間の釈放とパサラン地区の独立を要求していた。人質奪還のため、4人のユニバーサル・ソルジャーが現場に送られるが、NGUの前には歯が立たない。そこで、最後の切り札として、人間性回復のためのリハビリを受けていたユニソルの最強兵士・リュックが送り込まれることとなる。そこには、リュックに因縁のあるユニソル兵士・スコットが待ち受けていた…。

＜解説＞
一度死んだ兵士を化学療法によって蘇生させた、感情を持たず痛みも感じない戦闘マシーン“ユニバーサル・ソルジャー”、略して“ユニソル”。

このユニソル兵士リュック・デュプローとアンドリュー・スコットの戦いを描いた映画『ユニバーサル・ソルジャー』が作られたのは、1992年。
続いて1999年に第2作目の『ユニバーサル・ソルジャー／ザ・リターン』が作られています。

本作『ユニバーサル・ソルジャー：リジェネレーション』はシリーズ第三作目になるわけですが、前作を観ていなくても特に問題ないかと思います。
でも、以下の三点は押さえておいた方がよいかも。

・ユニソル兵士 … 死者を甦らせた最強兵器。感情を持たず、痛みも感じない。
・ユニソル兵士　リュック・デュプロー（ジャン＝クロード・ヴァン・ダム） … 感情を持たないはずのユニソルながらも、なぜか人間性と感情・記憶を取り戻しつつある。凶暴性を抑え、記憶を取り戻すリハビリを重ねている。
・ユニソル兵士　アンドリュー・スコット（ドルフ・ラングレン） … リュック同様、記憶を取り戻しつつあるユニソル兵士。生前からリュックとは因縁がある。

と、まあ、これだけの知識があれば、特に問題なく楽しめると思います。

なぜ、ロシア大統領の子どもを助けるために米国陸軍が？
チェルノブイリってそんなにセキュリティ甘いの？
そんな重大機密がなぜ簡単に漏えいする？　機密保持契約とかしてないわけ？
そもそも、ユニソルは老けていいの？　死んでるのに？

などと、いろいろと疑問もありますが、まあそこは勢いで…。
まず、死者に電流流して科学療法を施すことによって戦士として生き返らせるという設定自体が、荒唐無稽なわけですしね。
細かいことは考えず、男同士の激しい戦いを、素直に楽しむのがよいかと思われます。

ちなみに、この作品で最新型ユニソル“NGU”兵士を演じているのは、アンドレイ・“ザ・ピットブル”・アルロフスキー。
元UFCヘビー級世界王者であり、現役UWFファイター。総合格闘技界のスターだそうです。
身長193センチ、体重110キロのがっしりしたボディから繰り出す技の数々は、どっしりとした重量感を感じさせ、ヴァン・ダムやラングレンが繰り出す技とはまた違った迫力を感じさせます。
感情もなく無表情で、セリフもほとんどない役ですが、独自の存在感が役にぴったりでした。
ザ・ロック様ことドウェイン・ジョンソンに続く、格闘界からの名俳優がまた誕生するかもしれません。

この作品で撮影監督を務めたのは、『2010年』、『タイムコップ』など、数々の作品で監督・撮影監督を手掛けているピーター・ハイアムズ。
この作品の監督を務めている息子のジョン・ハイアムズを、リアリティを感じさせる見事な映像でバックアップしています。
この作品は、ある種の“親子鷹”作品とも言えるのですね…。

そうそう、2010年のカンヌ映画祭では「ユニバーサル・ソルジャー」シリーズの次回作の製作が発表されました。
『ユニバーサル・ソルジャー：リジェネレーション』同様にジャン＝クロード・ヴァン・ダムとドルフ・ラングレンが登場し、ジョン・ハイアムズが監督を務める次回作、なんと3Dで製作されるそう！
あの肉弾戦が3Dで観られるなんて、格闘好きの方には、うれしい作品になるかもしれませんね。。。

『ユニバーサル・ソルジャー：リジェネレーション』（97分／アメリカ／2009年）
原題：Universal Soldier: Regeneration
公開：2010年6月26日
配給：エスピーオー
劇場：シネマート新宿ほか全国にて順次公開
監督：ジョン・ハイアムズ
撮影：ピーター・ハイアムズ
出演：ジャン＝クロード・ヴァン・ダム／ドルフ・ラングレン／アンドレイ・“ザ・ピットブル”・アルロフスキー
公式HP：http://unisol-is-back.jp/