虎影

“忍者”って、アクション志向のある日本人監督的には、やはり魅力的な題材なのでしょう。
アクション要素もあるし、ミッション・インポッシブル的な面白さもあるし、奇天烈で摩訶不思議な技を使うようなイメージもあるし、時代劇でありながら、わりと自由な解釈を許される存在でもあるし。

でも、そんな魅力的な題材だからこそ、出来上がった作品は、玉石混交だったりするよなあ。。。

と、映画『虎影』を観て、そんな感想を抱いてしまいました。
個人的には、もっと突き抜けるか、もっとシリアスに寄せるかして欲しいかったなあ。
なんだか、アクションもギャグもエロもグロも、そしてカッコよさも、すべて中途半端に感じました。

<STORY>
戦国時代、最強の忍者と言われた虎影は、愛するくノ一・月影と息子・孤月のため、6年前に忍びをやめ、百姓として生きていた。そんな虎影のところに、かつての仲間・火影衆が現れ、宝のありかを示す“銀の巻き物”を手に入れろと言う。孤月を人質に取られた虎影と月影は、やむなく巻物を持つ藩主の館に忍び込む。しかし、脱出の際に月影が囚われてしまった。虎影は月影を人質として残し、孤月を救うためひとまず火影衆の元に戻るが…。

<解説>
実写版『進撃の巨人』で特殊造型プロデューサーを務める西村喜廣の監督作である映画『虎影』
特殊造型が専門の監督だけあって、目が体中に付いたカラクリ忍者や人間手裏剣、竹でできたパワードスーツなどの造型は、なかなか見応えあり。
キャラクターも面白いです。

しかし、ストーリー部分はどこかぬるいというか、取捨選択がきちんとなされていないイメージ。
多分、監督の頭の中では、色々な設定があって、つながりもいろいろあるのだと思うのです。
でも、観客にはその裏設定はほとんど伝わってこず…、ほとんどおいてけぼりなのですね。

例えば、劇中に、目が体中についたカラクリ忍者の目無しというキャラクターがいるのですが、そのキャラクターについては劇中でほとんど説明がありません。
私は鑑賞後に資料を読んでいて、「ああ、あれってカラクリ忍者だったんだ…」と知った知ったのですが、資料を見なければ何なのかもわからないキャラクターというのは、観客に不親切すぎるのではないかと。。。

映画のクオリティを上げるためには、ストーリーを複雑にする余計な要素や内輪受けのネタは、カットすべきだと思います。
それがものすごーく面白かったり、素晴らしいセンスを感じさせるネタなら、話はまた別ですが。

忍法なんかも、練りこみが足りないというか、技として強くもないし、クリエイティビティ的には「くノ一忍法帖」に出てくる忍法の足元にも及ばないし。。。
なんだか、かなり物足りなさを感じてしまいました。

とはいえ、よかった点もいくつか。
虎影のライバル忍者・鬼卍を演じる三元雅芸さん、殺陣が素晴らしいなあと思って観ていたのですが、彼はアクション俳優としてゲームのモーション・キャプチャーなども担当しているのですね。
型もできているし、動きのキレもよく、他の俳優さんとレベルの違う殺陣に、思わず目を奪われてしまいました。

『虎影』(94分/日本/2015年)
公開:2015年06月20日
配給:ファントム・フィルム
劇場:新宿武蔵野館ほか全国にて
原作・監督・脚本・キャラクターデザイン・編集・特殊造型監督:西村喜廣
出演:斎藤工芳賀優里亜しいなえいひ津田寛治/石川樹/鳥居みゆき島津健太郎三元雅芸/清野菜名/水井真希屋敷紘子三田真央/松浦りょう/仁科貴村杉蝉之介石堂夏央/矢野満咲起/若林美保/黒岩桃子/畔柳亮平/謝花弘規/江藤修平/角田明彦
Official Website:http://www.torakage.com/

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